研究課題/領域番号 |
14657580
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関水 和久 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (90126095)
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研究分担者 |
秋光 信佳 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40294962)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | DNAトポイソメラーゼ / 遺伝子ノックアウトマウス / マウス初期胚 / ICRF-193 / RNAi / アポトーシス / カスパーゼ / HeLa細胞 |
研究概要 |
研究代表者らが作出したDNAトポイソメラーゼIIα遺伝子ノックアウトマウスは、4細胞期で発生を停止するという表現型を示した。さらに、発生を停止した遺伝子ノックアウトマウス胚においては、見かけ上ふたつに分裂した核球の染色体DNAが、細いフィラメント構造により連結した形態をとっている。これらの発生停止胚は、抗PCNA抗体染色陽性で、かつ抗リン酸化ヒストン抗体染色陰性であった。DNAトポイソメラーゼIIαの阻害剤であるICRF-193で野生型胚を処理した場合にも発生が停止し、核球の形態異常がみられ、細胞は抗PCNA抗体染色陽性かつ抗リン酸化ヒストン抗体染色陰性であった。さらに、RNAi法によりHeLa細胞のDNAトポイソメラーゼIIαのメッセンジャーRNAを中和した場合にも、初期胚でみられたと同様の核の形態異常が認められた。これらの結果は、DNAトポイソメラーゼIIαの活性低下が生じると、G2期における染色体DNAの分離過程に異常が生じ、嬢染色体が完全に分離していないにもかかわらず細胞質分裂が進行してしまうことを示唆している。すなわち、このような状態における細胞においては、従来知られている細胞周期のチェックポイント機構は作動しないと考えられる。 さらに研究代表者らは、DNAトポイソメラーゼIIα遺伝子ノックアウトマウス胚、ICRF-193処理により発生を停止したマウスの初期胚、並びに、RNAiにより核の異常形態を引き起こしたHeLa細胞がアポトーシスを誘導することを見いだした。染色体分離異常を細胞がモニターし、カスパーゼ経路の活性化が引き起こされると考えられる。このアポトーシス誘導機構は、チェックポイント機構では排除しきれない異常細胞を個体から除去するために必要であると思われる。
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