研究課題/領域番号 |
14657590
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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研究分担者 |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 受容体 / 膜タンパク質 / ペプチドチオエステル / CXCR4 / 脂質二重膜 / gp41 / タンパク質合成 / HIV / 脂質膜 / リポソーム |
研究概要 |
受容体機能の化学的解析、即ちケミカルレセプトームを目指して本年度は水溶性受容体ミメティックスの開発、および受容体そのものの化学的合成を指向して次の諸点について検討を加えた。まず、水溶性受容体ミメティックスに関してはHIVがその標的細胞に感染する際に利用するgp41蛋白質の動的超分子機構を参考にすることとした。即ち、gp41は、その分子内に存在する2つのhelix性の高い領域で分子内自己会合を起こし、6量体バンドルを形成する点である。2つの領域としてN36およびC34領域が取り上げられているが、いずれも水溶性が悪く、天然品を利用した6量体バンドルを直接水溶性受容体ミメティックスに展開するには無理があると考えられた。そこで、水溶性6量体の構築を目指し、会合体の外側に位置するペプチドであるC34に対して、独自のアミノ酸変換戦略を適用する計画を立てた。具体的にはアミノ酸残基を7つずつ、X-EE-XX-KKなる配列で区切り、水溶性とヘリックス性を上昇させる手法である。これにより水溶性受容体ミメティックス合成に最適と考えられるSC35EK分子を開発するに至った。 次に、受容体分子そのものの化学合成であるが、これについては、我々が従来研究を展開してきたCXCR4分子を題材として取り上げた。基本的合成戦略としては、ペプチドチオエステルフラグメントの作成とこれらフラグメントの脂質膜上での縮合反応が挙げられる。すでに、昨年度、必要とされるペプチドチオエステルフラグメントの合成をすべて完了していたので、本年度はこれらフラグメントの脂質二重膜中での縮合反応について検討を加えた。その結果、これらペプチドフラグメントは、脂質二重膜中で極めて効率的に反応に、2回膜貫通型の受容体モデルへと変換できることを明らかとした。今後は、本手法のCXCR4受容体全合成への展開を図る予定である。
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