研究課題/領域番号 |
14657591
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
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研究分担者 |
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 講師 (10283615)
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70252426)
齋藤 秀之 熊本大学, 医学部, 教授 (40225727)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | トランスポータ / 薬物体内動態 / ペプチドトランスポータ / 有機アニオントランスポータ / 有機カチオントランスポータ / 転写調節 / P-糖蛋白質 / 発現調節 |
研究概要 |
薬物トランスポータは薬物の体内動態を規定する重要な因子の一つであり、その発現量の変動によって薬物体内動態の個体間変動が生じるものと考えられる。薬物の吸収・分布・排泄をコントロールしうる体内動態制御薬開発の基盤構築を目標とし、本年度は昨年度に引き続き種々の病態やホルモン等の内因性物質が薬物トランスポータの発現変動に及ぼす影響について解析を進めるとともに、ヒト腎臓における薬物トランスポータ発現量と薬物排泄との相関について検討した。その結果、小腸ペプチドトランスポータPEPT1の発現量が、甲状腺ホルモンや日内変動によって調節されることを明らかにし、その発現変動とペプチド類似薬物の吸収との相関について示した。また、高尿酸血症時に有機アニオントランスポータ(OAT1,OAT3)、有機カチオントランスポータ(OCT2)の発現が減少し、薬物の腎移行性が低下することを明らかにした。さらに、ヒト腎生検組織を用いた解析から、OAT1の発現が腎疾患時に低下すること、OAT3の発現量と抗生物質セファゾリンの消失速度に相関が認められることを明らかにした。薬物トランスポータの発現調節機構についてより詳細に調べるため、OCT2遺伝子の5'側非翻訳領域を単離し、転写調節領域の解析を行った結果、アンドロゲンレセプターを介したテストステロンによるOCT2の発現調節に関わる領域を明らかにした。 本研究で得られた成果は、薬物トランスポータの発現変動に起因した薬物体内動態変動について示したものであり、薬物体内動態を制御しうる手法の開発に有用な基礎的情報となるものと考える。
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