研究課題/領域番号 |
14657608
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
寺井 親則 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (30305065)
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研究分担者 |
松島 俊介 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90347063)
岡本 健 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40347076)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 音声入力システム / 赤外線マイク / 電子カルテ |
研究概要 |
(目的)我々は、医療機器や人体への影響が少ない赤外線を用いた無線音声入力システムを開発し、その臨床的有用性を検討した。 (方法)赤外線無線音声入力システムは、PC用音声認識ソフト(IBM製Via Voice Pro Version 10)、赤外線及びその受光システムを使って試作した。対照とした音声入力システムは有線マイクを使った音声入力システムである。これら2つのシステムの音声認識能を以下の条件下で比較検討した。 (1)環境雑音の強度(一般の診察室のそれを含む)を変化させる。 (2)病院内の照明機器を点灯する (結果) (1)赤外線無線の音声認識率は一般の診察室レベルの雑音(48dB)下で、83.3%であった。一方、有線マイクを使った場合は83.7%であり、両システム間で統計的有意差は認めなかった。雑音レベルを60dB、70dB、80dBと増加させた場合、赤外線無線の音声認識率は、それぞれ83.5%、69.8%、52.3%に、また有線マイクでは81.6%、69.5%、43.5%に低下したが、システム間での有意差は認めなかった(P<0.05 by ANOVA, LSD)。 (2)病院内で照度が最も強い手術灯を点灯した場合でも赤外線無線の認識率は低下しなかった。 (考察)両システムとも雑音レベルが異常高値(70dB以上)になると音声認識率は低下するが、60dB以下の雑音レベルでは赤外線無線による音声入力も有線マイクと同様、高い認識能を有することが判明した。赤外線無線の音声認識能は手術灯下でも低下せず、使用に際して制限を受ける区域はないと判断した。音声入力ソフトの精度が向上すれば、赤外線無線による音声認識能はより一層高まり、赤外線の世界標準規格(IrDA規格)への展開が期待できると考えられた。 (結論)赤外線無線による音声入力システムは臨床的に有用であり、赤外線の世界標準規格(IrDA規格)への展開が十分期待できると考えられた。
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