研究課題/領域番号 |
14657618
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小田切 優樹 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80120145)
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研究分担者 |
棚瀬 純男 熊本大学, 医学部, 教授 (20112401)
甲斐 広文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30194658)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ノックダウンレセプター / アルブミン / 遺伝子工学 / エスコートプロテイン / 薬物結合部位 / 臓器特異性 / 変異体 |
研究概要 |
本研究は組換えアルブミンを用いて薬物動態及びDDS研究への新しいアプローチを試みるものである。すなわち、本研究は、(1)アルブミン分子上の薬物結合部位を迅速かつ高精度に同定するアルブミン変異体の開発と(2)肝臓特異的に分布特性を示す変異体を用いて、インターフェロンを遺伝子工学的あるいは化学的に結合させた肝不全治療薬の製剤設計を目的として実施され、以下の知見が得られた。 1.従来の化学修飾及びX線結晶構造解析データに基づき、サイトI結合に重要な役割を果たしていると考えられるアミノ酸残基、Lys-199、Arg-218、222、His-242、Ala-291を他のアミノ酸に置換させた(Lys-199→AlaあるいはVal;Arg-218、222→Ala;His-242→Phe;Ala29l→LysあるいはArg)変異体を作製してリガンド結合性を調べたところ、野生型に比べ、結合性の低下が認められたものの、サイトIをノックダウンするような変異体を見出すにはいたらなかった。 2.主要糖化部位と考えられる199、439、525番目のLysをAlaに置換した3重変異体を^<111>Inでラベル化して静脈内投与し、生体内分布を調べた結果、この変異体は野生型に比べ、肝臓、特に肝内皮細胞に効率よく取り込まれることが明らかとなった。 3.HSAの2つのcDNAをDNAリンカーを用いて結合させた配列を発現ベクターpPIC9Kに導入し、Pichia酵母GS115を用いて発現後、精製を行い、HSA dimmerを作製することに成功した。また、このHSA dimmerを^<111>Inでラベル化してマウスに静脈内投与し、生体内分布を検討した結果、生体内半減期がwild-typeの約2倍に延長し、血管外漏出を抑えた有効なrHSAであることが明らかとなった。 以上のように興味ある知見は得られたものの、ノックダウンレセプターアルブミンの設計、さらにはアルブミン結合体の調製など検討課題を残すことになった。
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