研究課題/領域番号 |
14657627
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
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研究分担者 |
阿辺山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30284897)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
山口 宗一 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20325814)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | HMGB-1 / 敗血症性ショック / RAGE / ARDS / TNFα / HMG-1 / 多臓器不全 / 細胞壊死 / アポトーシス / 核内蛋白 / 個体死 |
研究概要 |
HMGB-1(High Mobility Group Box protein-1)は核内に存在し、DNAの立体構造維持・転写に必須の分子である。しかし驚いたことに、このHMGB-1は、あらゆる有核細胞の壊死、そしてマクロファージ系細胞の場合には、諸刺激に際して細胞外に分泌されてきて、"死のメディエーター"として働くことが明らかとなりつつある。申請者らが今回明らかにしたことは、以下の諸事実である。 1.HMGB-1の高感度測定法の確立 純化HMGB-1で兎を免疫して単一、多クローン性抗体を作成し、これを用いたHMGB-1の高感度ELISA測定法を確立した。このHMGB-1ELI6Aキットは、ヒトの血中のHMGB-1を高感度に測定しえた(感度1ng/ml以上)。 2.本方法でHMGB-1を測定して以下の結果を得た。 1)HMGB-1はショックの重症例で高値を示し、HMGB-1が高値の場合には極めて重篤な病態であることが示された。 2)HMGB-1はARDS(Adult Respiratory Distress Syndrome)の肺胞液中、血中にも高値を示し、HMGB-1が肺障害のマーカーとなりうる。 3)血清HMGB-1は癌の場合にも高値を示し、これには癌細胞由来と、マクロファージ由来のものがある可能性を示しているが、現時点では分泌型と壊死型は分子論的には識別しえない。 3.HMGB-1はRAGE(Receptor for Advanced Glycation Endroducts)を介して、細胞に作用し、遷延した慢性炎症を惹起する。 4.純化HMGB-1を細胞に作用させると、このRAGEを介して幅広いスペクトラム細胞に作用し、NF-kB活性化を介して、TNFαの産生、細胞のランダムな運動を誘導する。これはCDC42,Racを介するものである。これにより諸臓器のベリアー破綻と炎症が惹起されてくる。 これらのことから、HMGB-1は"臓器不全"死のメディエーターエー"といいうる分子であることが明らかになった。
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