研究課題/領域番号 |
14657632
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山田 重行 千葉大学, 看護学部, 教授 (20111817)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 褥瘡 / 一酸化窒素 / 虚血再灌流障害 / 細胞間接着反応 / L-アルギニン / 生体蛍光顕微鏡 / 微小循環 |
研究概要 |
【目的】筋萎縮性側索硬化症(ALS)では褥瘡が起こらないことにヒントを得て、一酸化窒素(NO)がALSにとっては増悪因子であるが褥瘡にとっては予防修復因子として作用すると考え、NOによる褥瘡予防の可能性を検討した。 【方法】6週令雄性Balb/cマウスの背部皮膚に微小循環観察用のChamberを装着し、その1週間後に実験を行った。実験群:(1)ニトログリセリン(NG)軟膏塗布群(N群)と対照群(C群)。N群にはバソレーター軟膏(20mg/g含有)、C群には軟膏基材の50mgを各々の圧迫皮膚全面に塗布しラップで覆った。(2)内因性NOの効果を検討するために4週令雄性Balb/cマウスを5%L-アルギニン添加餌飼育群(A群)と通常餌飼育群(AC群)とに分けて6週間飼育したものを用意した。実験手順:Chamber裏面の皮膚上に直径9mmの圧迫面を有する50gの重りを置き、反復虚血再灌流負荷を課した。3時間圧迫の後、重りを1時間外し、再度3時間圧迫を行った。次いで重りを外し、0.5、1.5、3時間後に圧迫皮膚部の細動脈と細静脈を生体蛍光顕微鏡的に観察した。1回目の圧迫開始前の観察も行い、前値からの変化を検討した。観察項目:(1)細静脈における転回・膠着・流下白血球数と(2)血流速度、(3)細動脈の血管径、(4)血流停止皿管数。 【結果】N群の膠着白血球数が有意に少なく、NG軟膏が虚血再灌流障害による炎症阻止に有効に働くことが示された。N群では再灌流時のno-reflow現象が軽度で、血流の停止した血管が少なかった。これにはNOの(1)血管平滑筋弛緩作用(血流促進)、(2)白血球や血小板、内皮細胞上の接着分子の表出抑制作用(内皮細胞障害抑制や細小血管への白血球嵌入、白血球-血小板凝集由来の血栓形成阻止などによる血流路保存)が寄与していると考えられた。A群でも同様の傾向が見られたがその程度は弱かった。以上の成績は、NG軟膏が皮膚圧迫と虚血再灌流障害に起因する褥瘡の予防に有効であることを示唆する。
|