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トランジスタの発明の特許と論文における情報の保護と公開に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14658001
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

古川 泰男  豊橋技術科学大学, 未来技術流動研究センター, 教授 (10314098)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード発明 / 特許 / 論文 / 情報 / 保護 / 公開 / トランジスタ / 研究 / 公用
研究概要

1.トランジスタ発明における特許出願と論文発表の経緯
ベル研究所の副所長として固体増幅装置の研究を企画したKellyは研究成果の公表に極めて熱心であったが,知的財産権の取得にはさらに積極的であった。KellyはBardeenとBrattainのトランジスタの発明について厳重な緘口令を引くとともに,彼らに先ず特許出願を指示した。彼らは競争相手による発表に焦慮しつつも,1948年6月17日に特許出願を終え,その直後にPhysical Reviewに掲載されるよう論文執筆を行った。研究リーダーであるShockleyは点接触型トランジスタの発明から閉め出された。彼の貢献を書き加えると,Lilienfeldの特許が先願公知となる恐れがあったからである。トランジスタの発明という栄光の座を逃すことを苦慮したShockleyは短期間に接合型トランジスタのアイディアと理論を構築し,6月26日に特許出願をした。この接合型トランジスタの発明こそがその後のトランジスタの発展,半導体物理学の発展の礎となった。
2.特許と論文(研究発表)のあるべき関係への考察
1)特許出願がもたらした学術進歩への貢献
トランジスタの発明の論文の公表は特許の出願後直ちに行われた。特許は発表を数ヶ月遅延させたが,学術進歩への大きな支障とはいえない。むしろ発明行為を厳密に問う米国の特許制度がShockleyをして接合型トランジスタという半導体産業のみならず半導体物理学を初め諸科学の飛躍的発展をもたらす発明に至らせた。
2)特許と論文が担う情報
特許は産業効果を目的とする技術情報であり,論文は普遍的な科学を伝えるものである。トランジスタの特許は信号増幅機能を実現する技術を記述しており,科学はその実現性を証明する役割を演じる。
3)大学における特許と論文の相克とその緩和
大学における特許と論文の相克を緩和する施策として研究者の評価処遇,大学内における早期出願の仕組み,発表後の特許出願猶予期間の延長などの特許制度の三面から考えていく必要がある。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 古川泰男, 杉浦万理愛: "大学における特許と論文の相克"日本知財学会第一回研究発表会・シンポジウム. 41-44 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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