研究概要 |
健康体力づくりを志向し,改善を繰り返した生活行動データの変動には,各個人の学習によって自己組織化された健康生活行動間の関連性が潜んでいると考えられる.毎日,記録し,蓄積された健康生活行動データにデータマイニング技法を適用して,各個人に最適な生活行動の連関規則や知識体系を探索する方法を開発することを目的とした. 対象:専門的なスポーツトレーニングを実施する男女25名. 項目:生活時間(起床時刻,就寝時刻,睡眠時間,食事時刻,運動・スポーツ実施時間など),体調(体重,体温,血圧,自覚的体調,疲労感など),生活行動(学習,部活・トレーニング内容,食事内容)であった. 期間:10週間から30週間以上にわたり,毎日の生活行動を記録した. 単一事例研究法を適用して,5週間ごとに記録データを入力する.スポーツ選手は11月以降のオフシーズントレーニング期間から開始して,トレーニング計画に準じて設定した. 方法:Health Quality Control (HQC)手法を説明し,主体的な生活行動変容技法を説明した.開始時の2週間から4週間の記録から対象者自身が観察項目を選定し,記録用紙を作成し,データを記述する書式を作成した. 結果:個人における心身のコンディション変動を決定する基本的生活習慣因子を探索することができる基礎的なデータ分析アルゴリズムを構築した. 個人の200日以上の生活行動と体調の多変量時系列変動データから時系列な因果構造と周期性が明らかとなった.
|