研究概要 |
目的:シリンジバイオプシー法によるヒト外側広筋採取と,遺伝子発現の定量解析法の開発 方法:成人男性6名を対象に、一過性運動によるHexokinase II, Glycogenin, Glut-4の遺伝子発現変化を調べる. ・運動負荷試験:最大酸素摂取量の70%の強度で60分の運動を行い,運動前,運動終了直後,運動終了180分後に2回のシリンジバイオプシーを行った. ・シリンジバイオプシー 1.18ゲージの注射針を外側広筋中央部に挿入する。 2.筋に注射針を挿入したまま、50mlのシリンジを用いて筋組織を強く吸引する。 3.強い陰圧をかけながら注射針を3回程度上下左右にゆっくり動かす。 ・RNA抽出:RNA抽出試薬(Isogen:ニッポンジーン社製)にEthachinmate (Invitrogen社製)を加えてRNA抽出を行った. ・Real-time PCR:作成したcDNAを用いてHexokinase II, Glycogenin, Glut-4をReal-time PCR (LightCycler : Roche社製)にて測定した. 結果・考察・まとめ 36サンプルから得られた総RNAは平均3.80士0.71μg(範囲:5.53-2.86μg)であった.昨年の2倍の総RNAが得られたが、これはシリンジ容量を20mlから50mlに変更したため、より強い陰圧がかかり,多くの組織が得られたためと考えられる. すべての対象者で,運動前に比べ運動終了直後もしくは180分後にGlycogenin/β-Actinが増加した.運動後に骨格筋中のGlycogeninが増加することが先行研究(Kraniou et al.J.Appl.Physiol.2000)で報告されており,今回も同様の結果が得られた.よって今回シリンジバイオプシーにて得られたサンプルは骨格筋であると考えられる.
|