研究概要 |
本研究では,ウェアラブルデータベースシステムとその可能性を探るために,近年,ビデオカメラの小型化やバッテリの長寿命化が進み,ビデオカメラを自在に持ち歩いて長時間移動しながら多数のビデオを撮影することが多くなり,当然の帰結として莫大なビデオデータが取得されることとなっていること,また,一方では,MPEGに代表されるビデオデータの圧縮技術と標準化が進み,ビデオをデータベース化することが,今日の大容量ストレージ技術の進歩と相まって可能となっている状況を背景として,ビデオ撮影者が3次元地図を格納しているウェアラブルコンピュータを装着し,それにGPS (Global Positioning System)を,ビデオカメラにジャイロを取り付けることによって,GPSによりビデオ撮影者の位置と時刻を取得し,ジャイロセンサによりビデオカメラの姿勢データを取得し,さらに撮影地点を含む3次元地図がウェアラブルデータベースシステムに格納されているので建物オブジェクトの3次元形状データがわかる状況で,ビデオカメラの視野に入り,実際にビデオに写っている建物オブジェクトをウェアラブルコンピュータで計算して,ビデオのどのフレームからどのフレームまでどのような建物が移っているかを自動的に計算して,写っている建物IDをビデオに索引として付与することができる,これまでにない新しいビデオコンテンツの自動索引法を提案し,その有効性を検証した.撮影者はウェアラブルコンピュータを身に付けGPSとジャイロヲを装着して実際に街頭でビデオ撮影を行った.実験の結果,提案・実装した被写体建物オブジェクトの自動抽出アルゴリズムが理論どおりうまく稼動して,提案している自動索引法が非常に有効に働くことを確認した.さらに,関連して,ユーザからの建物オブジェクトの相対的位置関係だけを用いた自動ナビゲーションシステムをウェアラブルデータベースシステム上で実現して,さまざまな可能性があることを示し,研究の目的を達成した.
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