研究課題/領域番号 |
14658100
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能情報学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡邉 豊英 (渡辺 豊英) 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (80093342)
|
研究分担者 |
朝倉 宏一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80273283)
加藤 ジェーン 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教授 (70251882)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | ストーリ展開 / 文脈情報 / 展開パターン / 4コマ漫画 / コマ関係 / 形状照合 / 人物像認識 / 言語と画像の理解 / ヒューマン・インタフェース / 動作情報抽出 |
研究概要 |
4コマ漫画はその基本構造として「起承転結」の展開を有しているとされているが、実際にコマ間の関係を解釈するとき、より詳しいストーリ展開の情報が必要となる。このような4コマ漫画のそれぞれのコマ間依存関係に関する情報を文脈情報と捉える。すなわち、4コマがそのストーリ展開に果たす役割を分析し、物語理解のためのシナリオとなるのがストーリ展開情報であり、そのようなコマ関係の物語理解のための枠組みを与えるのがストーリ展開構造である。ストーリ展開構造は4コマ漫画の文脈を意味付け、物語理解の手掛かりとなる。 この文脈情報をどのように抽出し、どのように利用可能とするかが本研究課題の目標である。そのために3つの視点からコマ相互の描写内容を分析し、その特徴を抽出することを想定した。 1)台詞や説明語・句がコマ内にあるか否かという観点でコマ特性を定め、このコマ特性の変化・系列としてパターン種別を定義する。 2)前後のコマ描写内容に注目して、「(1)前コマが後コマの一部として縮退している、(2)反対に前コマが後コマを含んでいる、(3)前コマと後コマは全く同じ場面、状況となっている、(4)前コマと後コマは全く関係していない」という関係、及びコマ系列における依存関係によって特徴を定め、このコマ間の依存関係としてパターン種別を定義する。 などを想定した。1)については5つのストーリ展開パターンによってほぼ83%の4コマ漫画の展開を解釈できることが確かめられた。その5つとはreasoning, concluding, opposing, asserting, correspondingである。今回は台詞が吹出し内に表記され、画像処理も比較的簡単であり、1)の視点は有用な方法である。一方、2)については実装するまでには至っていないが、コマ間の関係をその画素の空間的分布状況に基づいて判別し、また分布形状の相対的な解釈・識別法について実験した。もし、形状照合がかなりの精度で実現できれば、1)の視点よりも描写内容を表現していて、ストーリ展開構造を理解するために有効な情報となることが、思考的分析で確かめた。
|