研究課題/領域番号 |
14658128
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
|
研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
後藤 篤 姫路工業大学, 理学研究科, 助手 (50211917)
|
研究分担者 |
井口 博夫 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (40112073)
佐藤 裕司 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (80254457)
森永 速男 姫路工業大学, 理学研究科, 助教授 (40210182)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 第四紀 / ケイ藻堆積物 / テフラ層 / 大山 / 蒜山原 / 年縞 / 火山活動 / 火山ガラス / ケイ藻土 / 年稿 / 帯磁率 / 残留磁化 |
研究概要 |
昨年度に続き、岡山県の蒜山原地域のケイ藻土堆積物に含まれるテフラ層の岩石学的な性質を調べた。今年度は、基盤岩類と、大山上部テフラを調査した。基盤岩類の調査は、大山火山が生まれる前の調査地域の地質学的な発達史の理解と、大山の火山噴出物に含まれる異質岩片の起源を調べるためである。大山上部テフラの調査は、ケイ藻土堆積物に挟在するテフラとそれらの岩石学的な性質を比較するためである。 ケイ藻土堆積物に挟在するテフラは、上位の1.5mの厚みを持つ火山礫の下位、約1.5mの範囲にcmオーダーのテフラ層が17枚と20cm程度の厚みを持つチョコバンドと呼ばれる粘土層が一枚確認できた。火山礫の上位は、火山礫の下位の地層と違って、年縞を持たず塊状である。しかし、所々に年縞を示すパッチ状の堆積物が認められることから、堆積当時は年縞を持ち、その後、年縞が失われるような変形を受けたと考えられる。 火山礫層を含む各テフラ層に共通する鉱物は、斜長石・斜方輝石・不透明鉱物である。また、火山ガラスを含んでいる。1.5mの火山礫層は、重鉱物として、大山テフラに共通に含まれている角閃石と黒雲母を含んでいた。これに対して、薄いテフラ層は、普通輝石を含み、角閃石に極めて乏しい。このことから、蒜山原に堆積したテフラ層には、重鉱物組み合わせから、単斜輝石-斜方輝石を含む火山活動と、黒雲母-角閃石-斜方輝石を含む火山活動を起源とする二つに分けられることが分かった。ケイ藻土の堆積度は、一年で2mmとされているので、火山活動が盛んだった層厚の薄いテフラ層の堆積間隔は、約600年程度である。この間の火山活動の休止期は、数年から150年程度までと推定される。今回調査した断面で、上に記載したテフラ層より下では、15mほど(年数にして7500年程度)にわたってテフラ層は認められず、火山活動としては比較的平穏な時期だったのだろう。
|