研究課題/領域番号 |
14658147
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京商船大学 |
研究代表者 |
賞雅 寛而 東京商船大学, 商船学部, 教授 (20134851)
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研究分担者 |
古谷 正裕 (財)電子中央研究所, 原子力システム部, 主任研究員
岡本 孝司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80204030)
波津久 達也 東京商船大学, 商船学部, 講師 (60334554)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 放射線誘起表面活性 / 放射線利用 / 原子炉 / 表面科学 / 防食 / 酸化金属被膜 / 応力腐食割れ / 原子炉構造物 |
研究概要 |
研究代表者らは、酸化ジルコニウムなどの広いバンドギャップを有する被膜にγ線を照射することにより、励起電子が被膜に接する金属に移行して電位を卑化させる放射線誘起表面活性現象を見いだした。本研究の目的は、この現象を利用して、金属の腐食を緩和する方法を実験的に確認することである。 実験に用いられた試験片形状は全て幅20mm、長さ50mm、厚さ1mmであり、母材は純度99.99%の鉄、SUS304L、およびSUS316Lである。これに酸化被膜として酸化チタン、酸化ジルコニウム、または酸化アルミニウムを表面に溶射により成膜した。表面のみを試験対象とするため、裏面および端部にはエポキシ系樹脂を塗布した。3wt%塩化ナトリウム水溶液中に17時間浸漬した酸化アルミニウムを約200μm溶射した99.99%鉄試験片は、暗室保管の場合、一部孔食が見られ、ほぼ全面に腐食が進行した。一方、γ線を照射した場合には、このような腐食様相はほとんど見受けられなかった。溶液浸漬時間を40h,64hとした実験を行った結果、暗室の場合には腐食が更に進行したが、γ線照射の場合は腐食の進行が遅いことが判明した。これらの結果から、放射線照射により顕著な防食効果を発揮することが示された。線量率を増大させることにより、一層高い腐食緩和効果が生じ、また酸化チタン以外の酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムについても、γ線照射により高い防食特性が得られることがわかった。 このように炉内構造物表面の酸化金属被膜(SUS、ジルカロイなど)がγ線と反応して、放射線誘起表面活性を生じ、腐食の進行を低減できることが確認された。このような技術のさらなる開発は特に、原子炉高経年化使用、近年社会的問題になった原子炉構造物のひび割れ防止、また原子炉安全上大きな課題となっている応力腐食割れの抑制を目的に開発を急ぐ必要がある。
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