研究課題/領域番号 |
14658156
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
近江谷 克裕 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間系特別研究体, グループ長 (20223951)
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研究分担者 |
中島 芳浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間系特別研究体, 研究員 (10291080)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ウミホタル / 甲殻類 / ミトコンドリア / 地域分散 / 多様性 / 地球温暖化 / ウミボタル / ミトコンドリアDNA / 分子進化 |
研究概要 |
本申請では地球温暖化の指標となるモデル生物を設定することを目標に、日本列島におけるウミボタル分布マップの作成を行い、棲息分布、形態、遺伝子的な拡散と水温、水質などの環境要因の相関を検討、温暖化とウミボタル相関を評価し、さらにそれらのデータを基にウミボタルを温暖化評価モデル生物として確立することを目的とした。本年度は日本全国を観測ポイントとして奄美諸島、対馬列島、四国、北陸、関東、東北地方周辺の日本海沿岸、太平洋沿岸部を選択し、ウミボタルの採取を行った。また、ウミホタルよりミトコンドリア遺伝子を抽出、ミトコンドリアDNAをサブクローン化し、その全構造を決定した。その結果、ウミホタルmtDNAの全塩基配列(15923bp)を決定した。後生動物mtDNAがコードしている遺伝子の種類はよく保存されており、ウミホタルmtDNAは、他の甲殻類のmtDNAと同様に13種のタンパク質、22種のtRNAと2種のrRNAを含んでいた。しかし、その遺伝子配置は多様であり、特にtRNAにおいて大幅な配置変動が起こっていることが明らかになった。また、我々は、COIIIの一部と調節領域(CR1)がコピーされたもう一つの調節領域(CR2)や、49bpの3つの短い重複領域(sRS 1,sRS 2とsRS 3)がウミホタルmtDNAにコードされている事を見出した。さらにウミホタルmtDNAにコードされている13種類のペプチド配列を基に分子系統解析を行ったところウミホタルは十脚類、昆虫綱、鰓脚類のどのグループにも属さず、Tigriopus japonicusと同様に、独自のグループを形成している事が示唆された。今後、これらミトコンドリアDNA情報を基に地域分散を検討する予定である。
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