研究課題/領域番号 |
14658171
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 収正 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30199062)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | フィトケラチン / 重金属抱合ペプチド / グルタチオン / Dunaliella tertiolecta / 亜鉛 / カドミウム |
研究概要 |
フィトケラチン(PC)は、植物や真核藻類において見出されている重金属抱合ペプチドであり、これらの生物の有害重金属無毒化を担う物質である。本研究では、藻類のPC合成酵素遺伝子の導入により、重金属および酸化ストレスに耐性を有する遺伝子組換え植物を作出することを目的にするものであり、本年度は以下の点について検討を行い、成果を得た。 1.Dunaliella tertiolectaにおけるPC合成が亜鉛によって活性化される機構について これまで研究が行われてきた高等植物や酵母などにおけるPC合成は、カドミウムによって最も強く誘導される。一方、我々はこれまでの研究において、緑藻D.tertiolectaでは、カドミウムよりも亜鉛によってPC合成が強く誘導されることを見出した。そこで、この機構を明らかにするために種々の検討を行った。その結果、高等植物の酵素がカドミウム以外の重金属によってほとんど活性化されないのに対し、本株のPC合成酵素は、亜鉛によってカドミウムと同程度に活性化された。さらに本株では、亜鉛により細胞内での活性酸素発生が強く誘導され、これにより、PC合成の基質であるグルタチオンの合成が保進された。一方、カドミウムはPC合成酵素を活性化したが、活性酸素発生誘導作用およびグルタチオン合成促進作用は示さなかった。したがって、D.tertiolectaを亜鉛とカドミウムで処理した場合のPC合成量の差は、上記の両金属間の作用の違いに起因するものと考えられる。 2.D.tertiolectaのPC合成酵素遺伝子のクローニング RACE法を用いることにより、D.tertiolectaのPC合成酵素遺伝子の部分配列を決定した。しかし、未だ全配列は明らかになっておらず、今後引き続きクローニングに向けて検討を行う予定である。
|