研究課題/領域番号 |
14658192
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (70242089)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | CIA / 転写活性化 / ヒストン / CIB / クロマチン / ヌクレオソーム / 加水分解酵素 / 構造解析 |
研究概要 |
クロマチン構造変換反応に関与する様々なタイプのクロマチン構造変換因子の構造解析を通して、クロマチンを介した機能変換反応の素過程を明らかにする目的から、本研究では新規核内加水分解酵素およびヒストンシャペロンの機能解析及び構造解析を進めた。 TATAボックス結合因子TFIIDの相互作用因子として単離したCIB(CCG1 interacting factor B)の一次構造を基に進化的な比較検討を行ったところ、原核細胞生物に存在する様々なタイプの加水分解酵素群と極めて弱いながらも相同性を有する複数の領域が分断して現れることが明らかになった。実際にCIBが加水分解酵素活性を有することも明らかにした。そこで、CIBの機能解析を進める一方で、三次構造解析を進めた。大腸菌で大量発現させ精製を進め、結晶を得た後、X線解析により三次構造での解像能をまず2.8Åレベルで、次に1.8Åレベルで明らかにするに至った。その結果、CIBは原核生物の加水分解酵素に見られるα/βフォールドを有する三次構造を持ち、酵素活性予想部位としてcatalytic triadを形成している3アミノ酸残基が見出された。しかしながら、CIBは転写活性化能を持つものの、加水分解酵素活性と転写活性化能との関係にはこの相関はなく、CIBは転写活性化能ドメインとして加水分解酵素活性ドメインとは独立に有することが明らかとなった。また、ヒストンシャペロンとして様々なタイプの因子の単離・解析を進めてきたが、そのうちCIA(CCG1-interacting factor A)、TAF-1(DBD-interacting factor)、PPIase等のヒストンシャペロンの結晶を得ることに成功し、そのうちCIA、TAF1についてはディフラクションパターンを得、構造解析を急いでいる。また、CIAについてはTFIIDとの機能的相互作用、TAF1についてはDBDとの機能的相互作用、PPIaseについては新しくヒストンシャペロン活性を示しただけでなく、rDNAサイレンシングに関与することを示し、新境地を切り開いた。
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