研究課題/領域番号 |
14658201
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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研究分担者 |
荒木 保弘 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60345254)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | リン酸化酵素 / ATPアナログ / MAPキナーゼ / JNK / p38 / アポトーシス / ストレス / 紫外線 |
研究概要 |
ERK、SAPK/JNK、p38の3種に大別されるMAPキナーゼファミリーは、様々な細胞応答に関与する主要なリン酸化酵素である。申請者らは最近、紫外線照射時のERKやJNK、p38の活性化機構やその生理的役割を検討し、ERKの活性化にはSrcからのEGF受容体の活性化という細胞膜近傍での反応が必要であること、また細胞のアポトーシス誘導の関与が示唆されているJNKやp38とは対照的に、ERKが抗アポトーシスに関与することを明らかにした(J.Biol.Chem.277;366-371,2002)。しかしながら、これらのMAPキナーゼが標的とするリン酸化分子やそれらの生理的役割については不明のままである。一般に、細胞内あるいは細胞抽出液内に存在するプロテインキナーゼの標的分子を同定することは困難な場合が多い。この原因の一つは、共存する多数多種類のキナーゼが一斉にリン酸化反応を行い、目的のリン酸化反応を覆い隠してしまうことにある。そこで本研究では、放射標識された非天然型のATPアナログの合成とこれをリン酸化反応の基質として利用可能な点変異MAPキナーゼを作製することによって、変異MAPキナーゼだけが標的分子に放射標識されたγ位のリン酸基を転移できるような実験系の開発を行った。これまでに野生型リン酸化酵素が利用できない非天然型ATPアナログを利用可能な点変異JNKは作製済みであり、同様な方法で、p38やERKの点変異体も作製した。現在これら変異体の特性を検討中である。また、細胞膜を透過しにくい非天然型ATPアナログを細胞内に導入する目的で、刺激依存的にJNKが活性化される環境を保持しつつ、非天然型ATPアナログが細胞内に取り込まれる条件を、各種可溶化剤やサポニンを用いて検討中である。
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