研究課題/領域番号 |
14658276
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京薬科大学 (2004) 北海道大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
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研究分担者 |
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ラミニン / キトサン / ペプチド / 人工基底膜 / インテグリン / シンデカン / 創傷治癒 / 細胞接着 |
研究概要 |
長年にわたり我々が発見してきたラミニン由来の機能ペプチドを組み合わせてキトサン膜に固定化することによって、再生医学や組織工学分野に応用可能な医用生体材料を創製することを目的に研究を行った。基底膜の主要な糖タンパク質・ラミニンは、細胞の接着や浸潤、神経突起伸長、血管新生、創傷治癒などを促進することが知られている。我々が見出した約20種類の細胞特異的に作用するラミニンの機能ペプチドをキトサン膜に固定化したところ、ペプチドの作用が増強されることをみいだした(Mochizukiら、FASEB J.,17:875-877,2003)。本年度は、シンデカンあるいはインテグリンに特異的に結合する2種類の機能ペプチドを組み合わせてキトサン膜に結合させた膜を用いて細胞の接着や神経突起伸長促進作用を検討し、シンデカンとインテグリンの相互作用を検討した。その結果レセプターの異なるペプチドを組み合わせてキトサン膜に結合することにより効率的に細胞に作用できることが明らかになった。さらに、AG73ペプチド(LQVQLSIRT)を固定化したペプチド-キトサン膜を用いてin vivoでの効果を検討した。ペプチド-キトサン膜を直接マウスに処置することにより創傷治癒効果が確認された。また、ペプチド-キトサン膜にヒト表皮細胞を接着させて、ヌードマウスに移植することにより、ヒト表皮細胞をマウスに移植できることがわかった。また、移植された細胞は分化することがわかった。これらの研究結果は、我々が同定したラミニン由来の機能ペプチドを化学的にキトサン膜に結合することにより、基底膜様の作用をもったペプチドマトリックスが作成できることを示すものである。本研究において開発したペプチド-キトサン膜は、上記のin vitroとin vivoの実験結果からわかるように、実際の再生医学や組織工学分野への応用が期待できるものである。
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