研究課題/領域番号 |
14658282
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 高分子ミセル / デンドリマー型光増感剤 / ブロック共重合体 / 光線力学療法 / ポリエチレングリコール / ポリイオンコンプレックスミセル / PDT効果 |
研究概要 |
本研究では、細胞内動態を制御可能な新規高分子型光増感剤を分子設計し、機能解析を行うとともに、その高分子ミセル化による固形ガンを標的としたデリバリーシステムを構築することによって有効なPDTを実現することを目的とした。 本年度は、前年度に合成手法を確立したアニオン性フタロシアニンデンドリマーを新規高分子型光増感剤として、反対荷電を有するブロック共重合体(ポリエチレングリコール-ポリ(L-リシン)ブロック共重合体)と混合することにより高分子ミセル(ポリイオンコンプレックスミセル)への内包を行い、さらには細胞への取り込み及び光応答的細胞毒性評価等を行った。HeLa細胞に対して作用させた結果、光増感剤内包高分子ミセルと光増感剤単体では光照射を行わない場合には共に細胞毒性は示さなかったものの、光照射を行った際は、高分子ミセル系では光増感剤単体と比較して100倍以上の効果を示した。上記の成果は、長波長励起が可能な光力学療法用フタロシアニン化合物を含有し、効率良く目的細胞へ運搬することが可能で癌細胞などの標的細胞のみを破壊することが出来る、薬剤として使用し易い水中での安定性が高い光力学療法用高分子ミセル構造体が創製されたことを意味する。フタロンアニン化合物は化合物単体では、培養ガン細胞に対し抗腫瘍効果を示さないが、高分子ミセル構造体とすることで高分子ミセル内に高濃度に濃縮された状態においてもエネルギー消光を起こさず、著しく増大された抗腫瘍効果が示される。これにより、従来の光力学療法剤の性能を大きく上回る光力学療法剤のための高分子ミセル構造体を提供することができる。
|