研究課題
若手研究(A)
本研究の目的は、RDD(Random Digit Dialing)法を用いた電話調査の比較実験調査を実施し、その適切な実施方法について明らかにすることである。平成14年度の比較実験調査では、導入部のオペレータのトークは、回収率や調査結果にあまり影響しない、との結果を得た。そこで平成15年度は、世帯内での対象者の抽出方法として、乱数によって対象者を決める追跡法と、世帯内の任意の協力者を対象者とする自己選出法との比較実験調査を実施することとした。調査項目は主に、統計数理研究所が平成15年秋に実施した「第11次日本人の国民性全国調査」の調査項目から選び、全部で21問とした。7月5日からの1週間で予備調査を実施し、10月4日からの1週間で本調査を実施した。調査は全て電話調査専門会社に委託し、研究代表者の監督の下でCATIにより実施した。予備調査の回収サンプルは、追跡法が208件、自己選出法が300件であり、本調査の回収サンプルは、追跡法、自己選出法ともに815件ずつであった。調査の結果、世帯判明件数に対する回収率は、追跡法では32%、自己選出法では49%と明らかに自己選出法が高くなった。さらに追跡法の回答分布と自己選出法のそれとを比較すると、性別については、自己選出法の方が女性が若干多くなること、自己選出法の方が人数の多い大世帯の割合が高くなること、といった人口統計学的ないくつかの属性については差違が見られたが、それ以外の質問項目についてはほとんど違いは見られなかった。
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