配分額 *注記 |
29,510千円 (直接経費: 22,700千円、間接経費: 6,810千円)
2004年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2003年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2002年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
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研究概要 |
物質中で展開されるさまざまな物性の出現のメカニズムを調べるために,圧力や磁場などの外部摂動を加えた状態での電子状態の知見が得られる高磁場・高圧下の赤外分光の方法論を確立することを目的としてきた。最終的には,温度3.5K,圧力5GPa,磁場14Tを同時に実現した赤外分光が可能になり,以下に示す結果が得られている。また,高磁場・高圧下での電子状態の理解を助けるために,常圧・低温での電子状態を,放射光を用いた励起エネルギー可変の角度分解光電子分光装置で調べるための準備を行い,現在では定常的な測定が可能になっている。 具体的な研究内容は以下のとおりである。擬二次元有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)_2Cu[N(CN)_2]Brの超伝導・反強磁性絶縁体境界付近に生じる数10μmの大きさのドメイン構造の起源を調べるために,温度・磁場および冷却速度を変えた試料に対して赤外分光イメージングを行った。その結果,ドメイン構造は物質がもともと持っている組成の揺らぎかまたは局所的なひずみが原因で発生していることがわかった。(研究発表論文1番目) CeSbでは,4GPa,35Kでフェルミ準位上に擬ギャップ構造が出現することを始めて観測した。この圧力・温度では,CeSbの磁気構造は単周期反強磁性相に属し,その磁気構造がバンド構造の周期性に現れることで擬ギャップ構造が出現することを明確にした。また,温度を上下,磁場を上げることで擬ギャップ構造から単純な金属構造へ変化することも明らかにした。(論文投稿中)
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