研究課題/領域番号 |
14702037
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 寿浩 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (80262111)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
2003年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2002年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
|
キーワード | 低接触力コンタクト / Cu電極 / プローブカード / フリッティングコンタクト / 水素還元処理 / 表面活性化 |
研究概要 |
本年度は、前年度の電極用Cu膜の表面構造解析による知見をもとに、前年度開発したXPSに接続されたプロービングプロセス開発システムを用いて、Cu電極の超低荷重プロービングプロセスの開発に関する研究を行った。具体的には、電気的絶縁破壊の一種であるフリッティングおよび表面酸化膜の水素熱還元プロセスについて検討し、以下の成果が得られた。 フリッティングプロセスの開発においては、Cu電極とプローブ間にかける電圧・電流、荷重の依存性を測定し、これら条件の最適化を行った。従来の機械的手法で必要とされる荷重の10分の1以下の荷重(2mN以下)でも、2〜3Vの低電圧印加でフリッティングが起こることがわかった。また、フリッティング時に瞬間的に大きな電流を流すことによって接触抵抗を下げることが可能であることがわかった。Al電極とCu電極を比較すると、Cu電極の方がより低い電圧で絶縁破壊がおこり、低い接触抵抗が得られることが明らかとなった。 熱還元プロセスでは、Cu電極を真空チャンバー内の水素雰囲気中で加熱した後、プロービングを行い、接触特性を測定した。260℃,以上で水素還元処理した電極は、処理しないものに比べて、接触抵抗が半分以下に下がることがわかった。また、フリティングと組み合わせることによってさらに低い接触抵抗が得られた。水素還元したCu電極を空気中に放置すると、再度酸化されるためにいったん下がった接触抵抗が徐々に上昇し、1〜数時間後に元の値に戻ることがわかった。XPSによって表面分析を行ったところ、還元されて接触抵抗が下がった電極は、表面の酸化膜Cu_2Oが還元されてCuとなっていることが明らかとなった。 以上によって、Cu電極の超低荷重プロービングプロセスとして、フリッティングおよび水素による熱還元が有効であることが示された。
|