配分額 *注記 |
29,640千円 (直接経費: 22,800千円、間接経費: 6,840千円)
2003年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2002年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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研究概要 |
平成15年度の研究目標は,「リアルタイム撮像システムの構築と評価」であった.研究実績計画に従って研究を遂行し、以下の成果を得た. 1.リアルタイム光線空間得用ボードの開発 高速度カメラからのディジタル映像信号をバッファリングし,光線空間理論に従った切り出し位置のデータのみをビデオRAMに転送する機能を有したボードを開発した.ボードの構成はフルサイズのPCIボードとし,汎用のPCとの間で必要な制御情報をやりとりできる構成とした.高速・高解像度の映像データをバッファリングするためのメモリ量,及びその周辺回路規模が膨大となったが,実装を最適化することにより,ボード1枚上にすべての機能を実現することに成功した. 2.走査光学系との統合による光線空間取得装置の開発 昨年度開発した走査光学系のミラー角度信号を上記ボードに入力できるようにし,走査光学系のミラー角度に応じて切り出し位置テーブルを内部でリアルタイムに切り替えられるようにした.オフラインでミラーの角度を変化させ,所望の切り出し位置の光線空間データがビデオ信号として出力されることを確認した.さらに,ガルバノミラードライバを用いてミラーを高速に往復運動させ,その瞬時瞬時のミラー角度に応じて切り出し位置テーブルを切り替えながら自由視点映像を生成できることを確認した. 3.リアルタイム撮像実験と評価 開発した取得装置を用いて動物体の撮像実験を行い,光線空間理論に基づいた動物体の自由視点映像をリアルタイムで生成することに成功した.その一方で,ミラーの瞬時位置と切り出し位置テーブルの切り替えのタイミングとの間には非常に高い同期精度が要求されるため,ミラーの速度を上げすぎると映像にジッタが生じることや,今回用いた高速度カメラのゲインが不足しているため,フレームレートを上げすぎると映像が暗くなり,かなり強い照明を照射する必要がある,という問題点が明らかとなった.しかしながら,動物体の密な光線空間データを取得してリアルタイムで自由視点映像を生成するシステムは世界で例がなく,本装置を発表した国際会議2件において高い評価を得ることができた.
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