研究課題/領域番号 |
14702046
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
田村 雅紀 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (80315754)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2002年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 改質処理方法 / 改質処理骨材 / 骨材回収型リサイクル指向コンクリート / 耐久性状 / 部材補強効果 / 調合設計法 / 分解組立性設計 / ライフサイクル設計 / 力学特性 / 骨材回収性 / 表面剥離性状 / セメント系微粉末 |
研究概要 |
平成15年度に予定された計画に基づき、次の(1)(2)を主に検討した。以下に研究概要を示す。 (1)分離採取しやすい骨材を用いたコンクリートの耐久性調査(続) 前年度の検討結果によると、骨材回収型リサイクル指向コンクリートの耐久性に関しては、中性化は普通コンクリートと同等であるが、凍結融解低抗性は、骨材表面の改質処理により低下する可能性が考えられた。しかしながら、改質処理を施した全ての試料に関して、性能が低下するわけではないことが推察されたため、その傾向を詳しく分析するために、前年度の試料と同一調合のコンクリートを製造し、長期材齢養生により十分に水和が進んだと考えられる状態で凍結融解低抗性試験を実施し、質量減少率と相対動弾性係数を評価する検討を行った。なお本実験は、凍結融解における300サイクルを越えた段階においても、全試料の劣化が確認されるまで実施することを目的としたため、現在も継続中である。 (2)分離採取しやすい骨材を用いたコンクリートの部材耐力評価 骨材回収型リサイクル指向コンクリートを用いて、曲げ梁およびせん断梁を製作し、載荷時ヒステリシスの特徴、曲率、破壊モード、改質処理によるせん断余裕度と設計耐力への影響度等、構造部材の性能を評価する試験を実施した。なお本試験の一部は現在も継続中である。同時に、部材を仮定し、複数種のスパイラル筋による横補強筋比を変化させた試験体を作製し、補強効果の発現度が改質処理ならびにマトリックス自身の水セメント比の違いにより相違するかを検討した。その結果、コンクリートが高強度である場合、補強効果が得られなくなる傾向が確認され、それは改質処理をしない場合に顕著となることが実験的に確認された。 (3)分離採取しやすい骨材を用いたコンクリートの調合設計法/同コンクリートを用いた構造物における分解組立性に配慮した全体的設計法の提案 骨材回収型リサイクル指向コンクリートは、使用する骨材要因(粒形、粒度)により、普通コンクリートと比較した場合、一定の強度低下の傾向が確認されたため、強度低減を補正するために最適な水セメント比を逆計算し、調合に反映する仕組みを実験的に導いた。これにより、使用骨材の物性が確認された時点で、水セメント比の補正値を加えて調合を再構成することで、目標とする強度を予め導くことが可能になるとした。そして、本研究の大きなテーマである分解組立性設計をコンクリートに導入する点に関しては、実際にコンクリートが構造物から容易に分離され、合理的に構造用再生骨材ならびにセメント系微粉末の原料として再資源化する上で、構成材料の資源価値を考慮した全体的設計フレームの構築が重要になる。ここでは、ライフサイクル設計およびそれに包含される個別設計要素のあり方、それらの設計要素を具体化する根拠となる本質的機能などの各種要因を特定し、最終的に材料保存ストラテジーと称した構造物の全体的設計手法を具体的に示した。
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