配分額 *注記 |
28,990千円 (直接経費: 22,300千円、間接経費: 6,690千円)
2003年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2002年度: 18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
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研究概要 |
研究代表者はこれまでに,CaB_6,SrB_6,BaB_6などの二価の金属六ホウ化物がn型の高い熱電特性を示すことを明らかにしてきた.これらの熱電特性は,従来報告されていたn型ホウ化物の中で最も高く,p型ホウ化物と同程度である.更なる特性向上のために,熱伝導率の低減の試みた.また,電子状態計算により,n型キャリアの起源について調べた. 1.熱伝導率低減 二価の金属六ホウ化物は,電気的特性は共通点が多く,特にキャリアの易動度は金属の種類によらない.この性質を利用し,原子量の最も異なるCaB_6とBaB_6の混合相(体積比で3:1,1:1,1:3の三種類)を作製し,電気的な特性を大きく変えず,熱伝導率の低減を試みた.その結果,ゼーベック係数,電気伝導率は各CaB_6,BaB_6単相の値の間をとり,混合による電気的特性の低下は見られなかった.一方,熱伝導率は,いずれの混合比においても単相より低い値を示し,原子量の異なる相の混合により格子熱伝導率が低減したと考えられる.この熱伝導率の低減により,熱電性能は単相に比べて1.2〜2.2倍向上した. 2.電子状態計算によるキャリアの起源解明 二価の金属六ホウ化物は理論的には半導体であると考えられている.しかし,本研究で作製した試料は金属的な電気伝導を示し,さらに,作製方法によりキャリア濃度が変化することがわかっている.この原因を明らかにするために,ホウ素もしくは金属元素の欠損が電子状態に及ぼす影響を調べた.その結果,ホウ素の欠損によりバンドギャップ内に準位が形成されることが明らかになった.作成条件により,ホウ素の欠損量(主に雰囲気中の酸素によるものと考えられる)が変わり,その結果としてキャリア濃度に変化が生じたものと考えられる.
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