研究課題/領域番号 |
14702051
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小泉 雄一郎 大阪大学, 工学研究科, 助手 (10322174)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
19,630千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 4,530千円)
2003年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2002年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
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キーワード | 機能性材料 / 単結晶 / 金属間化合物 / 転位 / 制振材料 / 規則・不規則変態 / 逆位相領域境界 / 逆位相領域 / マイクロマシン |
研究概要 |
逆位相境界(APB)制御による転位配列制御と新規機能探索に関する以下の研究を行った。 1.Ti_3Al中における逆位相領域(APD)成長に及ぼす添加元素の影響 Tiとの結合力が強く、アルミに置換してTi_3Alに固溶しAPD成長に強く影響すると予想される、シリコンの添加を行った。その結果、シリコンの影響は大きく、例えばわずか0.5at%の添加でも、APDの成長速度を2分の1にまで低下させることができた。これにより、ナノメートル単位でのAPDサイズの制御ならびに高温でのAPDの安定化の指針が得られた。 2.高度に制御されたAPDを有するTi_3Al単結晶の柱面すべりによる転位組織形成 種々にAPDを制御したTi_3Al単結晶を柱面すべりの活動する二種類(単一すべり、二重すべり)の荷重軸にて種々の塑性ひずみを与え、形成される転位配列及び転位構造を調べた。その結果、単位塑性ひずみ当たりに蓄積される転位量は,APDサイズの減少とともに著しく上昇し、例えばAPDサイズ100nmの場合、わずか5%の塑性ひずみでも、APDが存在しない場合には50%ものひずみを与えても得られない高密度な可動転位の蓄積が可能であった。また、APDサイズ100nm以下では、転位は、APDが存在しない場合と異なり、独立した超格子部分転位として存在し、その運動によってすべり面上に新たにAPBが形成されていた。 3.高度に転位配列が制御されたTi_3Al単結晶の機能性評価 APDBにより転位配列を制御されたTi_3Al単結晶の応力ひずみ応答を調べたところ、二重すべりの場合に塑性ひずみ3〜15%における加工効果率が2700MPaと著しく高いことが見出された。これにより、例えば小さな塑性変形で大きな衝撃エネルギーを吸収する機能等、昨年度報告した制振性に加えて、マイクロマシン用部材として有用な機能を発現しうることが示された。
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