配分額 *注記 |
26,390千円 (直接経費: 20,300千円、間接経費: 6,090千円)
2004年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2003年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2002年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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研究概要 |
近年,地球環境の悪化が急速に進行する中で、より高機能かつ環境負荷が小さい新材料の開発が急務であり,緊急な課題として認識されている.様々な電子機器に搭載されているチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)は,有害な鉛を含んでいるにも関わらず,代替可能な強誘電体が無いという理由で,現在もなお使用され続けている.ドーピングや固溶体の形成など,既存の科学技術に立脚した材料設計の延長では限界があることから、電子・原子スケールでの局所構造や秩序性・次元性を考慮した新たな材料設計による非鉛強誘電体の創成が強く望まれている。本研究では,層状強誘電体に秩序構造をもつ格子欠陥を導入するという新規な材料設計指針「欠陥エンジニアリング」を提案し,残留分極値(P_r)の飛躍的な向上(従来の7倍のP_r=49μC/cm^2)と巨大な残留分極をもつ新規材料の開発(非鉛ペロブスカイトで世界最高値P_r=52μC/cm^2)に成功した.格子欠陥を、電子・原子レベルでの局所構造を考慮して積極的に導入・利用する欠陥エンジニアリング(本申請者が提案)により、非鉛系でPZTに匹敵する分極特性が初めて得られた。 従来,誘電体の格子欠陥は,弾性波の減衰や漏れ電流の増大をもたらすことがあるため,特性に悪影響を及ぼすイメージが強かった.本研究では、格子欠陥を積極的に導入・利用する独創的な欠陥エンジニアリングにより新規強誘電体をした。この成果により非鉛系強誘電体のブレークスルーがもたらされ,環境調和社会へ大きなインパクトを与えると思われる。本研究により開発された新規強誘電体は、PZTが用いられているかなりの部分を代替できる可能性を秘めており、地球環境向上のための世界的なニーズに大きく貢献するであろう。
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