研究課題/領域番号 |
14703018
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
児玉 昭雄 金沢大学, 工学部, 助教授 (30274690)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
2003年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2002年度: 16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
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キーワード | デシカント / 除湿 / 冷房 / 吸着 / 熱交換 / 省エネルギー / 排熱 / 空調 |
研究概要 |
今年度は空気再生型熱交換除湿機を試作し、性能試験を行った。研究成果は以下の通りである。 1.同時熱交換型除湿機の試作 除湿ローターは直径320mm、高さ400mm,吸着層高さ200mmで48枚のアルミ製のスリットによってくさび状の吸着剤ハニカムを挟み込んでいる。吸着側では湿潤外気(OA)を取り入れ除湿し、乾燥空気を供給する。同時に除湿ローターのアルミスリット内に冷却風を供給し、吸着熱発生による吸着剤および空気温度の上昇を抑制し、除湿性能低下を抑制できる形式としている。再生側では還気(RA)を加熱した空気により除湿ローターを再生する。同時に加熱風をアルミスリット内に供給し、再生補助を行なうことも可能とした。 2-1.最適回転数 風速をすべて2m/s一定としたとき、再生温度に関係なく除湿率が最大となる最適回転数は20rph付近に存在する。これより低い回転数ではローターの再生はより完全となるが、吸着時間の増加により吸着区間途中で吸着破過を生じ、除湿性能は低下する。一方、回転数が高い場合にはローターの再生が不完全となることに加えて、再生側から吸着側への熱の移り込み量が多くなり、除湿性能は再び低下する。 2-2.再生方法の検討 再生時にスリット内に加熱空気を導入することで再生効率の向上を目指した。補助加熱風を導入することで、湿度条件、再生温度条件、ローター回転数によっては若干の除湿性能の向上が図れるが、補助加熱風の導入により乾燥空気の温度が上昇して除湿性能の向上を抑制することがわかった。乾燥空気の供給時の冷却にかかるエネルギーや補助加熱風の送風、導入による設備投資などを考慮すると、現状では効果があるとは言い難いが改良の余地はあると考える。 2-3.冷却風速の影響 冷却風速が小さい場合および外気が低湿度の場合は除湿性能が低下する結果となった。これは冷却風によってローターの空気流れ方向下流あるいは回転方向に熱移動が生じ、冷却されるべき部分で吸着剤温度が上昇したものと考える。一方、冷却風速が大きい場合には、ローター内の滞留熱を強制排出する効果が表れた。以上のことよりローター内で発生した熱を、いかに冷却風で排出させるかが本プロセス性能を向上させる鍵である。特に吸着剤-スリット間の伝熱抵抗の削減が重要であると思われる。また、本研究では対向流で冷却空気を供給したが、操作条件次第では除湿性能を低下することもあり、並流での供給を検討すべきことがわかった。
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