研究課題/領域番号 |
14703029
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
|
研究機関 | 東京理科大学 (2003) 早稲田大学 (2002) |
研究代表者 |
小柳津 研一 東京理科大学, 総合研究所, 助教授 (90277822)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2003年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2002年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | ヘテロアセン / π共役系 / 高次構造制御 / スルホニウム塩 / 求電子置換反応 / 閉環反応 / 電荷移動錯体 / Swern反応 |
研究概要 |
本研究は、芳香族スルホニウム塩類の親電子置換反応を擬二次元型π共役系高分子の新合成法として確立すると共に、その電子・光電子物性を詳細に解明することを目的とする。特に、歪みの無いπ共役系構造におけるドーピング構造の安定化を、計算と実験の両面から明らかにする。本年度の研究実績は以下の通りである。 1.擬二次元π共役系連鎖の基礎物性解析 合成されたヘテロポリアセン類(フェノチアジニウム型、チアントレニウム型、フェノキサチイニウム型およびチオフェンラダー型)の吸収スペクトルにおけるπ-π^*遷移吸収波長、吸光係数、薄膜の屈折率、CVにおける酸化還元電位、熱安定度(Tg,Tm,Td)などの基礎物性を正確に測定、これらを構造と相関させて整理した。酸化還元電位は置換基の導入や対アニオンにより調節可能であった。分子軌道計算を援用して、3d-2p共鳴効果、励起エネルギーおよびドーピング構造などを算出、実験結果を反映させながら高伝導体を実現させる有効な分子骨格を決定した。併せて構造明確な低重合度閉環体の性質を計算予測し、ポリマーと共に合成した。 2.電子・光電子機能の解明 溶液キャスト法により上記4種類のポリスルホニオアセンの成膜試料を作成、4端子法によりバルク電子伝導度を測定、酸化ドーピングによる伝導度向上を実証すると共に、還元ドーピングも可能であることを酸化還元電位から実証した。紫外可視およびESRスペクトルからポーラロン、バイポーラロン生成を確認すると共に、ラジカル濃度の定量からポーラロン状態の安定度を正確に把握した。伝導度の温度依存性から伝導機構を明らかにすると共に、対イオンを変化させて配向試料を作成、YAGレーザを用いて二次非線形感受率を予備的に測定することにより、偏光方向や波長依存性を明らかにした。以上を総合して、新しい物質系である長鎖共役型ポリスルホニオアセンについて、光電子機能に関する基礎的な性質を解明した。
|