配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2004年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2003年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2002年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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研究概要 |
本課題ではモデル植物シロイヌナズナを用いて青色光による気孔開口に変異の見られる変異体のスクリーニングを行い、その原因遺伝子の同定することを目的として研究を進めてきた。スクリーニングには様々なタイプの変異体を単離するため、T-DNA挿入株、アクチベーションタグ挿入株とEMS処理株を用いた。これまで、12,280個体のT-DNA挿入株、6,258個体のアクチベーションタグ挿入株と12,288個体のEMS処理株の1次スクリーニングを完了し、当初の目標数にほぼ到達することが出来た。さらに、2次スクリーニングを進め、T-DNA挿入株において5株とEMS処理株において24株の変異体を単離した。アクチベーションタグ挿入株においては、変異体を得ることができなかった。EMS処理株においては2次スクリーニングを継続中である。T-DNA挿入株より得られた変異体については、TAIL-PCRによる遺伝子の挿入箇所の同定を行い、5株中2株について、ゲノム中でのT-DNAの挿入箇所を同定した。現在、原因遺伝子の機能解析を行っている。EMS処理株の変異体については、現在、2次スクリーニングで得られた変異体(約30株)について順次コロンビア品種との戻し交配とランズバーグ品種との掛け合わせを進めている。また、同時にこれら変異体における実際の気孔開閉反応についても解析を進めている。特に、STE27と名付けた変異体において興味深い結果を得ている。STE27は、青色光による気孔開口はほとんど見られないが、青色光受容体フォトトロピンや細胞膜H^+-ATPaseは正常に発現し、機能していることを確認した。この結果は、STE27の原因遺伝子が受容体からH^+-ATPase活性化に至る情報伝達に関わる未知の因子である可能性を示しており、その原因遺伝子がどのような蛋白質をコードしたものであるか早急に明らかにしたい。
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