研究課題
若手研究(A)
細胞遺伝学的に減数分裂の過程が詳細に記述されているコムギを材料として、減数分裂に関する突然変異体を選抜し、ヘテロ接合体系統として確立することを目的として実験を行った。6倍体であるパンコムギでは、同祖ゲノムにコードされるオーソログにより突然変異アリルの効果がマスクされてしまう恐れがあったため、パンコムギとAゲノムを共有する2倍体である一粒系コムギ(Triticum monococcum var.monococcum)を材料とした。約1400系統のM_2自殖穂別系統を2年間にわたり栽培し、その自殖種子稔性を調査したが、ホモ接合体で完全不稔もしくは強い不稔を示す系統を得ることができなかった。新たに、変異原を調整して突然変異を誘発する必要がある。このため、減数分裂に関与する遺伝子のマッピングはできなかった。しかし、その土台となる一粒系コムギではTriticum monococcum var.monococcumとTriticum monococcum var.boeoticumという両親間でAFLPマーカーを用いたときに約10%の多型なバンドを得ることを明らかにし、現在マッピングを進行させている。また、遺伝子地図上に減数分裂に特異的に発現しているESTs(Expressed Sequence Tags)をマッピングするため、6倍体コムギのESTデータベースから減数分裂期特異的な配列情報を抽出することに着手した。しかし、先行研究から減数分裂特異的であると知られている遺伝子がカルス由来のEST配列中に見つかるなどするため、真に減数分裂特異的なEST配列のスクリーニングに一層の工夫を必要としている現状である。
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