研究課題
若手研究(A)
前年度の研究成果の延長としてキジ科及びガンカモ科のPRL及びGHの遺伝子初期活性化の共通機構を明らかにするためにそれぞれの遺伝子のプロモーターのクローニングを行った。またキジ科やガンカモ科は早生性であるために比較対象として晩生性のセキセイインコのPRLcDNA及びプロモーターのクローニングを行った。その結果、PRLのプロモーターは翻訳開始点より上流約200塩基は鳥類において広く保存されている事が新たに解明された。またGHのプロモーターはガンカモ科では翻訳開始点より900塩基上流まで強く保存されていることが明らかになり、GHの共通発現制御機構は翻訳開始点より約350塩基までにより支配されていることが明らかになった。本年度の結果はPRL及びGH遺伝子が胚発生においてどのように活性化されるかを解明するにあたりそれぞれの遺伝子のプロモーターについてどの領域を用いてゲルシフトアッセイやレポーターアッセイを行えばよいか、つまりどの場所に活性化因子が結合する可能性があるかを明白にしたといえる。セキセイインコPRLcDNAのクローニング結果より鳥類では糖鎖結合配列が複数あることが示されたがウェスタンブロット解析より鳥類において糖鎖は同じ位置において付加されていることも新たに判明した。また前年度にクローニングを行ったPRL及びGHの転写調節因子であるPit-1cDNAを利用して大腸菌におけるリコンビナントタンパク質の発現を誘導させる事ができた。さらにPit-1cDNAの塩基配列を基に、ペプチド合成を行い、そのペプチドを用いて抗体作成を行った。本年度得られた抗体はリコンビナントPit-1をウェスタンブロット解析においてアイソフォーム特異的に認識する事が示された。この結果は免疫沈降法を用いることで未だ解明されていないアイソフォームの機能を明らかにする事ができると言える。
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General and Comparative Endocrinology 141
ページ: 39-47
The Journal of Veterinary Medical Science (印刷中)