研究課題/領域番号 |
14704028
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2004) 東京大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
高柳 広 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, COE特任教授 (20334229)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2004年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2003年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2002年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 骨代謝 / 破骨細胞 / 破骨細胞分化因子 / サイトカイン / NFATc1 / 骨粗鬆症 / 転写因子 / ITAM / インターフェロン / DNAチップ |
研究概要 |
TNFファミリーのサイトカインであるRANKL(破骨細胞分化因子)は、破骨細胞分化誘導において必須の因子であるが、その細胞内シグナル伝達機構は不明の点が多く、骨破壊性疾患の原因となる破骨細胞を特異的に抑制する有効な治療法は知られていない。これまでの研究で、RANKL標的遺伝子のDNAチップによる解析に基づき、NFATc1はRANKLシグナルの下流で破骨細胞分化を制御するマスターレギュレータと呼べる転写因子であることを同定した。本年度は、この上流のシグナル分子の解析から、RANKLシグナルの共刺激シグナルを同定し、これが破骨細胞の分化において重要な意義をもつことを個体レベルで解明した。 NFATc1は、カルシウムシグナルによって活性化されることが知られているが、RANKLには直接カルシウムシグナルを活性化することはできない。そこで、破骨細胞分化過程において、カルシウムシグナル伝達を司る別の分子を探索した。免疫系においてカルシウムシグナル伝達に重要な役割を果たすモチーフITAMを持つアダプター分子であるDAP12及びFcRγに注目し、両者のダブル欠損マウスにおいて破骨細胞分化が阻害され重症の大理石骨病を呈することを見出した。DAP12/FcRγダブル欠損マウスにおいては、カルシウムシグナルの異常とNFATc1誘導不全により、破骨細胞分化が完全に障害されていた。またこれらのアダプター分子と会合することでシグナルを伝える受容体は、OSCAR, TREM2,SIRPβ,PIR-Aなどの免疫グロブリン様受容体であることを解明した。この結果から、破骨細胞分化を制御する受容体として、RANKLとM-CSFという二つのサイトカイン受容体だけでなく、多数の免疫グロブリン様受容体が関与することが解明された。この結果は、多くの骨疾患の理解や治療に新たな知見を提示することなる。
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