研究課題/領域番号 |
14704057
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠原 洋之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (00302612)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2003年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2002年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 腎臓 / 尿細管分泌 / ベクトル輸送 / 有機アニオン / トランスポーター / 膜電位依存型輸送 / RST |
研究概要 |
上皮細胞における薬物のベクトル輸送について、特に有機アニオン系化合物の尿細管分泌に焦点を当てた検討を進めた。極性細胞(LLC-PK1細胞)にラット腎取り込みに関与するOAT3、マウスRSTを共発現させた。LLC-PK1細胞ではOat3は側底膜に、RSTは頂側膜に局在した。種々有機アニオンの本細胞における経細胞輸送を定量化した。p-aminohippurateや2,4-dichlorophenoxyacetateなどの低分子化合物についてはLLC-PK1細胞に内因性のトランスポーターが存在しているため、Oat3単独発現系で効率的な側底膜側から頂側膜側へのベクトル輸送が観察された。しかし、benzylpenicillinや尿酸については共遺伝子発現系でのみ側底膜側から頂側膜側へのベクトル輸送が観察された。これらの知見により、RSTは腎刷子縁膜において有機アニオンの排泄に関与することを明らかにした。また、本システムは有機アニオンの尿細管分泌を解析する上で有用である。刷子縁膜の他の有機アニオントランスポーターとして、ABCトランスポーターであるMRP4とBCRPについても、膜ベシクルを調製し、種々有機アニオンのベシクル内腔への取り込みを定量化した。その結果、両トランスポーターが広範な基質選択性を示すことを明らかにした。これらの結果から、有機アニオンの腎尿細管分泌には、複数のトランスポーターが関与していることが示唆された。
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