研究課題/領域番号 |
14704075
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
河合 房夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20300725)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
21,450千円 (直接経費: 16,500千円、間接経費: 4,950千円)
2003年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2002年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 嗅覚 / 匂い順応 / イオンチャネル / パッチクランプ / 嗅細胞 / 細胞体 / 膜電位固定実験 / スパイク頻度順応 / イモリ |
研究概要 |
感覚神経細胞における順応は、一定振幅の持続的な電流注入により生じた活動電位頻度の経時的減衰として特徴づけられるだけでなく、条件刺激(1回目の刺激)に対する活動電位のダイナミックレンジが、テスト刺激(2回目の刺激)においてシフトすることとしても特徴づけられる。そこで、本年度前半では、カレントクランプ条件で電流注入のダブルパルス実験を行い、活動電位のダイナミックレンジにシフトが見られるかどうかを測定した。その結果、注入した電流パルスの時間間隔が短い場合(2秒以下)には、著明なダイナミックレンジのシフトが見られた。また、細胞体に存在する各種イオンチャネルの選択的なブロッカー(charybdotoxin, iberiotoxinなど)を用いることにより、ダイナミックレンジのシフトにおけるイオン機構を解析した。その結果、charybdotoxin, iberiotoxinなどのCa^<2+>依存性K^+チャネルブロッカーは、ダイナミックレンジのシフトを抑制した。この結果から、Ca^<2+>依存性K^+チャネルは嗅細胞のダイナミックレンジのシフトに関与することが明らかになった。 本年度後半は、実際に匂い物質を嗅細胞に投与することにより、活動電位レベルでの順応機構を解析した。すなわち、匂い物質を持続的に投与した場合の活動電位の経時的変化、及び匂い刺激のダブルパルス実験を行うことにより、活動電位のダイナミックレンジにシフトが生じるかを検討した。なおこの場合、嗅繊毛におけるトランスダクションレベルの順応機構と区別するため、細胞体のイオンチャネルのみを選択的にブロックする薬物(Ca^<2+>依存性K^+チャネルブロッカー)を用い、細胞体のチャネルが活動電位の順応に及ぼす影響を解析した。その結果、嗅細胞細胞体に存在するCa^<2+>依存性K^+チャネルは、嗅細胞の匂い順応に密接に関与することを発見した。
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