• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ディドロと十八世紀フランス啓蒙思想の人間論における「自然史」の概念の役割

研究課題

研究課題/領域番号 14710020
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 思想史
研究機関青山学院大学 (2003-2004)
法政大学 (2002)

研究代表者

井田 尚  青山学院大学, 文学部, 講師 (10339517)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード啓蒙思想 / ディドロ / 自然史 / 歴史叙述 / 進歩 / 目的因 / 因果関係 / 唯物論 / 人間論 / 文明社会史 / 因果性 / 十八世紀 / ルソー / 学問芸術論 / 重商主義 / 重農主義
研究概要

本年度は、自然界から超自然的な目的因を一掃し、自然界や人間社会に生起するあらゆる現象を自然的な原因の結果として説明する啓蒙思想に特有の「自然史」の論理に「歴史叙述」の観点から新たに分析を加え、今後の研究につながる以下の興味深い調査結果が明らかになった。
1.歴史学、歴史哲学の祖として知られるヴィーコ、ヴォルテール、コンドルセら十八世紀の啓蒙思想家は、神の摂理など神学的な目的因ではなく、人間の本性に備わる進歩の能力としての「完成可能性」を歴史の動因と見なし、キリスト教の終末論的歴史観を世俗的な進歩史観によって置き換えた。だが、進歩の概念に基づいて社会や文明の発達を論じるいわゆる文明史のみを歴史と見なす近代歴史学において、人間や社会をも自然現象の連続線上で機械論的・決定論的に説明するディドロ、ドルバックらの唯物論思想は、「歴史叙述」と無縁な例外とされてきた。
2.しかし、歴史のカテゴリーを進歩史観に基づいた文明史だけではなく自然界と人間社会の双方を対象とする自然史にまで拡張するならば、必然的な因果法則を前提とした哲学的推論によって諸制度や事象の発生を考察するディドロやドルバックの唯物論思想は歴史と決して無縁ではなく、因果論的な推論に基づく「哲学的歴史」という角度から彼らの「歴史叙述」を論じることは充分に可能である。
3.ディドロ、ドルバックらフランスの唯物論者と同じく啓蒙期の進歩史観に基づく歴史叙述の例外とされるスコットランドの思想家ヒュームが、自らは懐疑論者を標榜しながら、『イギリス史』や『宗教の自然史』などの歴史著作に実質上の唯物論思想に基づく因果論的推論を適用している事実は、ディドロやドルバックの唯物論思想とヒュームの懐疑論思想の論理的近接性のみならず、彼らの「哲学的歴史」を「歴史叙述」として本格的に論じる可能性を我々に示している。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 文献書誌 (2件)

  • [雑誌論文] 歴史的推論と因果法則:ドルバックとヒュームに見る唯物論的歴史2005

    • 著者名/発表者名
      井田 尚
    • 雑誌名

      青山学院大学『紀要』 46号

      ページ: 139-157

    • NAID

      110006237428

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 井田 尚: "ディドロの自然主義的人間論と歴史哲学:目的因から因果法則へ"青山学院大学文学部紀要. 45. 149-165 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 井田 尚: "『百科全書』あるいは啓蒙の『学問芸術論』:デイドロの文明社会論(1751〜1770)"法政大学教養部「紀要」(外国語学・外国文学篇). 第122号. 61-85 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi