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昭和初期の和製ミュージカル映画に関する基礎調査研究〜ナラティヴの成立過程を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 14710025
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関早稲田大学

研究代表者

笹川 慶子  早稲田大学, 文学部, 助手 (30339642)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード和製ミュージカル映画 / ハリウッド・ミュージカル映画 / 小唄映画 / 無声映画 / 日本映画史 / 唄、歌、音楽 / ナショナリズム / ジャンル / 明治・大正期の映画常設館
研究概要

1 「和製ミュージカル映画」の同定
昨年度に引き続き、『キネマ旬報』など映画雑誌を中心に、「和製ミュージカル映画」の製作・公開状況を調査した。とくに今年度は、昨年抽出したデータの精度向上に努めた。その結果、1925年から1936年までに製作された日本映画で、「和製ミュージカル映画」の可能性があると考えられる約300件の映画から、217件の「和製ミュージカル映画」を限定することができた。
2 先行芸能との関係
日本では1925年以前からすでに唄入り映画が数多く製作され、当時の若者の人気を博していたことが明らかになった(詳細は「小唄映画に関する基礎調査-明治期から大正期を中心に-」参照)。このことを踏まえて本年度は、日本の唄入り映画が日本独自に発展したものか、それとも類似した映画がほかの国にも存在したのかどうかを明らかにすべく調査を行った。その結果、1910年代頃から1920年代にかけて、日本だけでなく南北アメリカ、ドイツやイタリアなどヨーロッパ諸国、中国やインドなどのアジア諸国でも類似した唄入り映画がたくさん製作され人気を博していたことが判明した。しかし日本の唄入り映画が日本固有のものでなかったとはいえ、海外の唄入り映画と形式的・内容的に異なるのは明白であり、ゆえに今後はその歴史的影響関係や構造上の差異を調べていく必要がある。
3 ハリウッド・ミュージカル映画との影響関係
「ハリウッド・ミュージカル映画」と「和製ミュージカル映画」との影響関係について調査した。その結果、次のことが明らかになった。(1)1929年以降、「ハリウッド・ミュージカル映画」がアメリカ産トーキーの目玉商品として大量に輸入されたこと、(2)それがトーキー化の遅れていた日本の状況を憂ふ知識階級の反感を買い、「ハリウッド・ミュージカル映画」は批判され、後から輸入されたヨーロッパの音楽映画が日本の音楽映画が目指す規範としてカノン化されたこと、(3)さらに、その規範に準じていない日本の音楽映画が批判され否認され、そのため日本で大量の音楽映画が製作されていたにもかかわらず、「日本にミュージカル映画は発展しなかった」と認識されてきたことが明らかになった(詳細は「音楽映画の行方-日中戦争から大東亜戦争まで」を参照)。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 笹川 慶子: "音楽映画の行方-日中戦争から大東亜戦争へ-"日本映画とナショナリズム 1931-1945(森話社). (未定). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 笹川慶子: "小唄映画に関する基礎調査--明治期から大正期を中心に--"演劇研究センター紀要. 1号(未定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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