研究課題/領域番号 |
14710026
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
小川 真人 東京工芸大学, 芸術学部, 講師 (30339808)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ヘーゲル / 美学 / 悲劇的対立 / 近代 / 精神の現象学 / 弁証法 / シェリング / ギリシャ悲劇 / 悲劇 / 社会的矛盾 / 革命 / ヘルダーリン / 古典主義 / ヴィンケルマン / ハインゼ / メングス / 十八世紀 |
研究概要 |
本研究遂行第三(最終)年度に相当する本平成16年度においては、引き続きヘーゲル美学関連文献の探査研究を実施しつつ、その成果の一部を学会誌等に公表し、ヘーゲル美学研究に関連する諸分野の研究者との討議交流をはかった。昨平成15年度日本シェリング協会における「クロス討論 悲劇の諸相」での発表と討議の成果を、今年度、論文『ヘーゲルにおける「悲劇的なもの」の思索』としてまとめ、シェリング年報誌上に公刊した。論文作成にさいしては、対論の相手であった水田恭平氏(神戸大学)および司会の宮田眞治氏(神戸大学)の強調した文学および思想史的視点の重要性を考慮しつつ、ヘーゲルの哲学的悲劇論の独自性を明らかにするように努めた。このシンポジウムと論文作成により、本研究は研究実施の中間的総括とも言えるステップをふむことができたと思われる。本平成16年度では、実質的に二年が経過した本研究の実施状況、研究成果、方法論等を再確認し、ヘーゲル美学を中心とした西洋近代美学思想史研究の現状とその研究展開の方向などに重点をおきながら、本研究実施のまとめに向けての準備にはいった。論文等でも指摘したことであるが、ヘーゲル美学の芸術論の特色の一つは、哲学的形而上学的関心との結合であり、この点は現代的視点からは批判的に論評されることが少なくないものの、現代美学もしくは現代芸術論とヘーゲル美学との対比としては、積極的に確認しうると思われる。ヘーゲル美学における哲学的あるいは形而上学的関心は同時にヘーゲルの実践哲学的思索とも密接に連関しており、こうしたヘーゲル美学の芸術論の思想構造論的特色は、その悲劇論にもっともはっきりとしたかたちで現れているのであって、これを我々はヘーゲルにおける「悲劇的なもの」の思索において範例的に確認することができるのである。
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