研究課題/領域番号 |
14710037
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田 裕一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 講師 (80312635)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | クロスモーダル知覚 / 感覚様相間相互作用 / 触知覚 / 反復プライミング / クロスモーダル / クロスモーダル注意 / 触覚刺激 / 視覚手掛かり刺激 / 形態情報処理 / 事象関連電位 |
研究概要 |
本研究は、視覚と触覚といった異なる感覚モダリテイ間での形態情報の統合のあり方とそこで作用するクロスモーダルリンクの機能的特性を解明するために、視覚刺激の先行提示が後続の触形態知覚の成績にいかなる影響を及ぼすかに関して心理物理学的手法を用いて検討することを目的とした。前年度の研究から、触覚刺激の形態的弁別における課題成績(反応時間や弁別感度)が、課題無関連な視覚刺激の先行提示による影響を受けて時限的に変調することが見出された。本年度はこのような視覚・触覚間クロスモーダルリンクの作用が、潜在的短期記憶や知覚プライミングが関与すると考えられている注意・記憶系の表象における形態処理レベルにおいても認められるかどうかについて検討した。実験では、"ターゲット-ターゲット手続き"パラダイムを用いて、方位(垂直/水平)とサイズ(長/短)の2つの刺激属性を持つ線分パタンを、視覚的もしくは触覚的にランダムな順序で堤示した。被験者の課題は線分パタンの方位もしくはサイズの弁別であり、従属変数として反応時間が計測された。その結果、方位・サイズ弁別課題ともに、現在の試行と過去の試行との間で刺激の課題関連属性が反復する場合の反応が、それらが反復しない場合と比べて促進される反復プライミング効果が、同一モダリティ間だけでなく異なるモダリティ間においても認められた。一方、刺激の課題無関連属性のプライミング効果に関しては、同一モダリティ間ではその効果はみられたが。異なるモダリティ間ではみられなかった。これらの知見は、視覚・触覚間のクロスモーダルリンクの作用が注意・記憶系の形態処理レベルにおいても認められることを示すものである。また、反復プライミング効果が課題関連属性の処理にのみ選択的に生じたことから、ここでのクロスモーダルリンクの作用には課題目標に応じて働く合目的な機序が関与している可能性が考えられる。
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