研究課題/領域番号 |
14710042
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川合 伸幸 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助手 (30335062)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 発達 / 記憶 / 自閉症児 / チャンク / 系列反応 / 数字 |
研究概要 |
健常児と自閉症児のチャンクの発達過程について検討した。平成15年度は、主として自閉症児を対象とした実験的研究をおこなった。小学校入学前後の自閉症児を対象に、コンピュータ画面上に1〜5個の、1〜9までの数字を呈示し、画面を触ることによって小さい数字から順に選択させた。その結果、いずれの子どもも刺激系列の第一項目への反応時間がもっとも長く、他の項目の反応時間はすべてほぼ同じであった。これらのことは、自閉症児も最初の反応をする前に、行動の計画をたてる「一括処理方略」を採っていることを示唆している。そこで、序列化が必要な課題において「チャンク」を行うかを検討するために、刺激系列のすべての数字が異なる条件と、系列に同じ数字が含まれる条件を比較した。その結果、自閉症児の行動は、すべての数字が異なる条件(e. g.,1-2-3-4-5)では、呈示される数字が多くなるほど第一項目への反応時間が直線的に増加したが、すべての数字が同じ条件(e. g.,1-1-1-1-1)では、呈示された数字の数にかかわらず、第一項目への反応時間が1定になり、「チャンク」の効果が認められた。このことから自閉症児は、数字の順序づけを行う系列課題において、同一項目があれば、それらを「まとめて1つの順序」とする「チャンク」を行うことが示唆している。 以上の研究から。全体的・統合的に知覚や認知が苦手とされる自閉症児も、同年齢の健常児と同じ時期から、序列化に関する「チャンク」を行うことが示唆される。 その他、自閉症児とヒト型ロボットとのインタラクションの観察なども行った。
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