研究課題/領域番号 |
14710074
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 知音 信州大学, 教育学部, 助教授 (20291388)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ADHD / 大学生 / 質問紙 / 尺度作成 / UPI / CPT |
研究概要 |
ジョージア大学で使用されているチェックリストをもとにAD/HD傾向質問紙を作成した。この質問紙の妥当性を検討するために、大学生の精神的健康度のチェックリストであるUPI、青年を対象とした精神的健康度の質問紙であるYSR、アメリカ合衆国で標準化されて用いられている注意機能の検査であるIVA-CPTを実施した。また、検証的因子分析により構成概念妥当性を検討、さらに尺度ごとの信頼性(内的整合性)を検討した。 AD/HD傾向質問紙は7つの下位尺度に、UPIの項目は、平山ら(1990)の報告にもとづいて8尺度に分類した。いずれの下位尺度も十分な内的整合性を示していた。また、それぞれの尺度において十分な再検査信頼性が確認された。 AD/HD傾向が精神的健康度と関連があるか検討するために、それぞれの下位尺度得点間の相関を求めた。その結果、UPIにおける「こだわり」、「抑うつ」、「気分変動」、「自律系症状」の4尺度ならびにYSRにおける「注意・社会性の問題」、「非行的行動」、「攻撃的行動」などと多くの下位尺度が高い相関を示す一方、「不安・抑うつ・内向」とも比較的高い相関を示した。IVA-CPTとは「不注意」尺度が「反応統制」、「持続性注意」のいずれの指標とも弱い相関を示す一方、質問紙の「多動性」尺度がIVA-CPTの「多動性」指標と弱い相関を示した。以上のことから、今回開発したAD/HD傾向質問紙はADHD的な行動・認知特性がある大学生のスクリーニング・テストとして十分な妥当性を示していたと言える。 さらに質問紙の高得点者を呼び出して面接調査を行ったところ、過去に注意機能の問題が疑われるような経験が報告される一方、多くは現在の大学生活によい適応を見せていた。彼らは理解者に恵まれたこと、高い知的能力で注意の問題を補う方略を身につけていたことといった特徴が見られた。
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