研究概要 |
15年度までの成果に基づき,説得的コミュニケーションに関わる諸要素を取り込んだ「説得納得ゲーム」は,環境配慮行動の普及をテーマに設定された大学の授業および市民ワークショップ等における運用事例の検討から,ゲームのバリエーションの設定により数人から数十人の単位での教育場面に適用可能であることが確認された。また,日本シミュレーション&ゲーミング学会の学会誌『シミュレーション&ゲーミング』に掲載された論文(杉浦,2003)に対し,2004年6月に学会論文賞が授与され,同学会2004年度春期全国大会において受賞記念講演を行った。それに加え,環境教育から他の分野への転用も検討した。行政職員のコミュニケーション教育については日本社会心理学会第45回大会(北星学園大学)で発表した。また,説得納得ゲームの他事例への転用それ自体を扱った企画セッションを日本シミュレーション&ゲーミング学会2004年度春期全国大会(東北大学)において開催した。最終的な成果は,第35回国際シミュレーション&ゲーミング学会(the 35th Annual Conference of the International Simulation And Gaming Association[ISAGA2004],Ludwig Maximilians University, Munich, Germany)において発表した。以上の実践および発表の活動を通して,説得納得ゲームが1)様々な条件下のもとでの種々バリエーションの実施可能性であること,2)説得納得ゲームにおいて説得者と被説得者の2つの役割を交換することで教育効果を高めること,3)環境関連のコミュニケーションの問題の他領域の問題へ転用可能であること,等について明らかにした。
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