研究課題/領域番号 |
14710127
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
安本 雅典 信州大学, 大学院・経済・社会政策科学研究科イノベーション・マネジメント専攻, 助教授 (40293526)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 取引関係 / インターフェースの能力 / 制度(化) / 製品開発能力 / カスタマイズ / 関係特殊的な能力(知識) / 競争 / 携帯電話端末 / 支配的な製品コンセプト / 制度化された競争 / 同型化 / 製品開発プロセス / 制度化 / 価値ネットワーク / 意味 / 製品開発ルーチン / 制度的な取引関係 |
研究概要 |
平成16年度は、日米における携帯電話産業、携帯電話端末メーカー、通信事業者について、さらに実態把握を進めた。こうしたデータをふまえ、メーカー-通信事業者間の取引関係と関連づけて、メーカーの端末開発活動について整理し、日米間の相違を検討した。その中で、日米間で異なった製品開発能力の制度化が進んできた背景には、メーカー-通信事業者間の取引関係の相違があることが明らかにされた。 日本では、特定の通信事業者からの受注をめぐり、メーカーは、新規性の高い機能・仕様を実現することで、相互に競争してきた。こうした競争を通じ、メーカーは、短いサイクルで設計を刷新し、特定の通信事業者の要望に高度にカスタマイズされた端末を開発してきた。その結果、日本メーカーの製品開発能力は、国内の特定の通信事業者に合わせて新規性の高い端末を提供する、関係特殊的な能力(知識)として制度化されてきた。 これに対し、従来、米国では、メーカーは、様々な通信事業者との取引を行ってきた。このため、特定の通信事業者の要望に合わせるための、関係特殊的な製品開発能力の必要性はより少なかった。こうした事情から、米国では、長期にわたって様々な通信事業者に対応可能な端末の開発が競われ、より汎用性の高い端末を開発する能力が制度化されてきた。 以上の相違が、日米間で、端末のあり方(すなわち支配的な製品コンセプト)の相違を生み、端末開発活動に違いをもたらしてきたことが、平成16年度には理解された。ただし、近年では、米国でも、通信サービスの高度化が進む中で、通信事業者の要望に合わせて、よりカスタマイズした端末の開発を行うことが、以前より求められている。こうした事情を反映し、米国においても、メーカーには、通信事業者の高度な要望を吸収し対応する能力として、対通信事業者向けのインターフェースの能力が必要となりつつあることも明らかとなった。
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