研究課題/領域番号 |
14710146
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
西浦 功 日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (10318579)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 在宅介護サービス / 家事援助 / ホームヘルパー / 援助関係 / 認識枠組 / サービスの質 / 消費者主導 / サービス提供場面の定義 |
研究概要 |
ホームヘルパーとサービス利用者が様々な家事援助場面において抱える様々な葛藤とその解決策を明らかにするため、本年度は5月から10月にかけて12事例を対象として、担当ヘルパーのべ45名と利用者及び同居家族に聴き取り調査を実施した。 具体的な質問項目として、ホームヘルパーにはまず担当事例の抱える課題とそれへの対応策について尋ね、利用者との関係の作り方、自分の日々の活動への評価についても尋ねた。一方、利用者に対してはサービス内容の評価や担当ヘルパーとの日常的なやりとりを中心に尋ねた。これらの質問を通じて、ホームヘルパーがどのような問題関心に基づいて自らの活動のあり方を規定しようとし、そしてこのような彼らの態度が利用者にどう受け入れられているかを検討した。 調査の結果、調査対象者から挙げられたサービス提供上の齟齬は、多くの場合望ましいサービスのあり方に関するホームヘルパーと利用者の見解の相違という要素を含み、これが両者の関係の不和と連動する形で多くの問題をもたらしていることがわかった。またこれに対するホームヘルパーの対応は、利用者との関係のあり方を調整しようとする物と、自分の活動のあり方に関する認識枠組を変換しようとする物に大きく二分できた。前者の場合、具体例として利用者との親密化を図ること、逆に利用者と疎遠な態度をとることが挙げられ、また後者の場合、仕事にやりがいが見出せるよう仕事の内容を再解釈すること、利用者の行動を柔軟に解釈し心の中に生じる葛藤を解決すること等が挙げられる。 また、両者の間に生じる齟齬の規定因として、家事労働に対する各個人の認識や社会的評価が一定の影響を及ぼしていることも明らかとなった。家事労働をめぐる様々な認識枠組の存在を自覚し、より明確な形でホームヘルパーやサービス利用者に示すことが、両者の葛藤の解決につながるのではないかと考えられる。
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