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沖縄の生徒のパーソナリティ特性と低学力の関連性

研究課題

研究課題/領域番号 14710193
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 教育学
研究機関琉球大学

研究代表者

西本 裕輝  琉球大学, 法文学部, 助教授 (20301393)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード学力 / ビッグ・ファイブ / パーソナリティ / 脳科学 / ブックスタート / 早生まれ / 文化的再生産論 / 沖縄 / 学力低下 / 低学力 / 社会階層 / Big Five
研究概要

本研究では沖縄の低学力の現状とその要因を、特にパーソナリティに着目しながら、調査を通して明らかにした。
分析に必要なデータを得るために質問紙調査を行った。対象としたのは、公立中学校2校の生徒300名、公立高校3校の生徒494名、合計794名である。調査は実際の学力を測定するための「学力検査」と、低学力の要因を探るための「質問紙」の二つの部分からなる。
調査データの分析結果から、第一に、概して沖縄の生徒の学力は県外に比べ低いこと、第二に、沖縄の持つ特有のパーソナリティが学力に対してマイナスの影響を与えていることが明らかになった。例えば、パーソナリティ測定項目であるビッグ・ファイブの「神経症傾向」得点は、県外に比べ沖縄の生徒の方が低くなっている、わかりやすい言葉で言えば、沖縄の生徒の方がほがらかでおおらかな性格をしているということである。こうしたパーソナリティは人間性という面から言えばむしろよいとされるものであろうが、こと学力達成に限定すれば、負の効果を与えているのである。学力問題の難しさをあらためて浮き彫りにすることとなった。
また、本研究では、教育社会学においては注目されなかった学力に影響を与えるさまざまな要因についても検討してみた。その中で、幼少期に絵本の読み聞かせをよくしてもらっている生徒の学力は高い、朝食を食べてから登校する生徒の学力は高い、早生まれの生徒の学力は低い、などの結果を得ることができた。これらの結果は、よりよい家庭環境が学力にとってプラスに作用するという社会学的な解釈ができる一方、最近急速に研究が進んでいる脳科学の分野においては、そうした行為が脳にプラスの影響を与えることによる効果であると解釈できる。奇しくも文部科学省は「脳科学と教育に関する検討会」を発足させており、こうした結果は、脳科学における研究成果と教育社会学的研究が連携していける可能性を示していると言える。
これらの成果は2003年9月に日本教育社会学会において発表し、いくつかのマスコミでも取りあげられた。また琉球大学法文学部紀要『人間科学』にも執筆している。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 西本裕輝: "学力の規定要因再考-中・高生調査に基づいた試行的分析-"人間科学(琉球大学法文学部人間科学科紀要). 13号. 89-107 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 西本裕輝: "学力の規定要因再考-中・高生調査に基づいた試行的分析-"日本教育社会学会第55回大会発表要旨集録集. 146-147 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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