研究課題/領域番号 |
14710200
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
|
研究機関 | 名古屋大学 (2004) 岐阜聖徳学園大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
服部 美奈 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 助教授 (30298442)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 女子教育 / インドネシア / ジェンダー / イスラーム / 教育普及 / 比較教育学 / 教育人類学 |
研究概要 |
最終年度にあたる平成16年度は、インドネシアにおける女子の就学とイスラームのジェンダー解釈の相関性を解明する最終段階として、引き続き文献によるデータ収集と、インドネシアにおけるフィールド調査を実施した。具体的には、女子の就学の現状と傾向についてインドネシアおよび他の東南アジア、中東イスラーム文化圏との比較考察から抽出された問題群をもとに、インドネシアで女子の就学に特徴的な地域について、国民教育省および州・県・郡レベルの国民教育局における聞き取り調査と、フィールド調査を実施した。フィールド調査は、ムスリムがマジョリティである西スマトラ州および中部ジャワ州、南スラウェシ州と、逆にムスリムがマイノリティであるバリ州を中心に実施し、ジェンダー解釈が女子の就学に与える影響について、当事者や保護者、イスラーム宗教学校を主宰するイスラーム指導者に対する聞き取り調査と参与観察から実証的に調査した。以下、より詳細を述べる。 1.女子の就学とイスラームのジェンダー解釈の相関性についての検討 (1)イスラームのジェンダー解釈に関わる近年の議論の傾向と展開について、文献および当事者からの聞き取りをもとに分析した。 (2)イスラームのマジョリティ地域とマイノリティ地域、比較の対象としてヒンドゥー教徒がマジョリティを占めるバリ州における女子の就学とジェンダー解釈の相関性の差異を比較検討した。 2.海外調査(2004年8月21日-9月11日) (1)インドネシア国内の統計資料をもとに、州、県、郡単位で女子の就学の現状を分析した。 (2)フィールド地域として、西スマトラ州パダン、中部ジャワ州ジョグジャカルタ、バリ州ブレレン県およびカラガサム県を設定し、女子の就学の実態とドロップアウトの要因、ジェンダー解釈の特質について、参与観察および関係者に対する聞き取り調査をもとに分析した。 以上の文献・フィールド調査から、インドネシアでは他のイスラーム諸国に比べ男女の就学率格差が少ないものの、教育段階が上がるにつれ女子の就学率が男子に比して低い事実が確認された。イスラームのジェンダー解釈が教育に及ぼす影響は、就学へのアクセス格差に加え、ジェンダーバイアスを反映した教育内容にあり、バイアス解消に向けての取り組みが都市部(ジャカルタ、ジョグジャカルタ)で展開していることも明らかになった。
|