研究課題/領域番号 |
14710217
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
風間 計博 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (70323219)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 強制移住 / 燐鉱石採掘 / エスニック・マイノリティ / 移住コミュニティ / バナバ島 / フィジー:キリバス / 太平洋島嶼部 / 文化人類学 / ディアスポラ / 中産階級 / 都市移民 / ネットワーク形成 / キリスト教会 / 市場 / エスニック集団 / フィジー / ランビ島 / バナバ人 / 土地権 / リン鉱石採掘 |
研究概要 |
バナバ島(現キリバス共和国)における燐鉱石採掘の進展および第二次世界大戦中の日本軍侵攻により、島住民は故郷の島からタラワ環礁、コシャエ、ナウルへ強制的に退去させられた。大戦終結後の1945年12月、住民はタラワに集められた後、故郷のバナバ島に帰還することなく、現フィジー諸島共和国のランビ島へ半強制的に移住させられた。 移住後半世紀以上を経た現在における人々の生活状況を把握すべく、2002年度、2003年度にフィジー諸島国ランビ島および同国の首都スヴァにおいて実地調査を行った。2004年度は、実地調査資料および文献資料を総合的に分析・検討した。 ランビ島は、バナバ人の島政府が統治している。フィジー国内であるにもかかわらず、バナバ人および親族のキリバス人が人口の95%を占め、人々はキリバス語を母語にしている。隆起珊瑚島のバナバ島とは自然環境の異なる火山島のランビにおいて、人々はフィジー人から生業様式を取り入れ、自給用のキャッサバやヤムイモ、換金作物のカヴァを栽培している。現在、経済的困窮化によりインフラストラクチャー等については、フィジー政府への依存が高まっている。しかしながら、人々はバナバ人としての帰属意識を強固に保ち続け、毎年12月にはランビ島上陸記念の饗宴が大規模に催されている。加えて国境を隔てたバナバ島への帰還を強く主張していることがランビ在住バナバ人へのインタビューにより明らかになった。 また、バナバ人はランビ島を基点としながら、就学・就業の機会を求めて首都に数多く進出している事実が見出された。人々は都市近郊に分散して居住しているが、バナバ人連絡事務所、メソジストのランビ島コミュニティ教会およびバナバ人の経営する市場のカヴァ商店を結節点とし、相互に情報を交換しつつ、都市マイノリティとして生活していることが明らかになった。
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