• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

東アフリカ・マー語系社会における物質文化と商品経済の変遷に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710220
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関静岡県立大学

研究代表者

湖中 真哉  静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30275101)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードケニア / サンブル / 物質文化 / 修繕技術 / 廃物利用 / 商品経済 / 野生動植物利用 / 比喩的思考 / 世帯経済
研究概要

本研究は、マー語系に属するケニア中北部の牧畜民サンブルをおもな対象として、物質文化と商品経済の相互関係、およびその歴史的変遷を、彼らの思考様式の側から捉えることを目指す人類学的研究である。平成15年度は、平成16年1月1日から2月22日にかけて、ケニアに海外出張し、サンブルを対象とした調査研究を実施することが出来た。
昨年度調査においては、ロロキ郡、バラゴイ郡、ワンバ郡において選択した各世帯を対象として、物質文化の広域サーヴェイを実施したが、本年度も同じ世帯を訪問して、その補充調査を行った。また。サンブルの家屋における廃物利用状況を分析するために、バラゴイ群において、特定家屋の建材全点にナンバリングを行い、その建材の入手元をインタビュー調査した。さらに、サンブル県内の廃物利用と修繕技術に関する広域調査を実施し、プラスチック修理師、鍛冶師、木工師、タイヤシューズ職人などに民俗技術の実演を依頼し、マルチメディア資料として記録した。
以上の調査の結果、廃物利用と修繕技術が、植民地期以降のサンブルの物質文化のなかに極めて大きな割合を占めていることが解明できた。とりわけ、プラスチック修理師、鍛冶師、タイヤシューズ職人らは、サンブルが遊動の際に集落跡に残していった使用済みの商品(ポリタンク、鍋等)や自動車の部品(バッテリー、古タイヤ)の廃物利用を前提とした技術を熟成しており、彼らが用いる使用道具も、また廃物利用によって自作したものが多いことがわかった。彼ら専門の職人の技術は、それ以外の人々にも模倣され、商品経済と密接に結びついた現在のサンブルの新物質文化を形成していったと考えられる。
今後は、サンブルの経済観や物質認知様式等の広範な社会文化的事象と上記成果を照合する作業を進め、廃物利用の豊饒性を提示することによって、従来の人類学における「貧困の文化」論を見直すことを企画している。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 湖中 真哉: "民族誌の未来形へ-オンライン民族誌の実践から"民博通信. 102. 6-8 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中 真哉: "牧畜民による市場の利用方法-ケニア中北部サンブルの家畜市の事例)(田中二郎、佐藤俊、菅原和孝、太田至 編)遊動民-アフリカの原野に生きる-"昭和堂(予定). 33 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中 真哉: "グローバル・コモンズとしての民俗誌的情報:オンライン民俗誌の実践から"静岡県立大学国際関係学部編『国際関係学双書 19 グローバルとローカル』. 19. 101-155 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中 真哉: "家畜をみる眼差しで自然と人間をみる"季刊リラティオ. 13. 90-95 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中 真哉: "生業牧畜と市場経済を結ぶ地域ネットワーク-ケニア中北部サンブルの家畜商の事例 佐藤俊編『講座生態人類学 4 遊牧民の世界"京都大学学術出版会. 175-222 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi