研究課題/領域番号 |
14710235
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
稲葉 継陽 熊本大学, 社会文化科学研究科, 助教授 (30332860)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 伝統日本社会 / 村共同体 / 地域社会 / 大名領国 / 境目地域 / 戦争と平和 / 中世村落 / 戦国大名 / 領域支配 / 兵農分離 / 中・近世移行期 / 朝鮮侵略動員 / 戦争 / 平和 / 自力救済 / 豊臣平和令 / 朝鮮侵略 |
研究概要 |
村・町共同体を基底にもち、それらの結合態としての地域社会、それを統治する領域権力、幕府(公儀)が、それぞれのレベルで自律性を保持しながら重層し、なおかつそれら諸団体・権力相互が役の負担と公共機能の遂行(惣無事、徳政ないし仁政)という交換的関係によって結ばれているという、当該期における社会構成(成熟した封建社会=伝統日本社会)の形成過程を明らかにしつつある。 「戦国期北部九州における領国支配と村に関する覚書」では、従来は後進地域とみられてきた九州地域にも16世紀初めには村共同体が一般的に成立していたことを明らかにした。「境目の歴史的性格と大名権力」では、惣無事令の歴史的前提となった大名領国「境目」の実態とそれに規定された戦国期の大名権力の構造的特質を明らかにした。中央公論新社版『日本の歴史11』の「解説」では、1960年代以降の戦国史研究の展開を総括した。「鬮引きで決まった藩領境-肥後・竹田領境相論を事例に-」では、永青文庫細川家文書「覚帳」の初期(17世紀)の3冊を検討し、藩領境における村レベルの紛争が、村、地域(手永)、藩、近隣藩、公儀までを貫く紛争解決の体系にそって処理される過程を復元し、村及び地域レベルにおける山野領域形成の可否が藩・公儀レベルでの領域把握・領有の態様を規定した事実を明らかにし、伝統日本社会の構造的特質を端的に把握することができた。 以上の今年度の成果によって、本研究の成果全体を論文集として刊行する準備が調った。
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